社内手続き
- 取締役会などでの出資の決議
- 出資額・役員・事業計画の承認
台湾の手続きに使う書類
- 登記事項証明書、代表者の身分証明など
- 公証・台北駐日経済文化代表処での認証が求められる場合がある
- 中国語訳
日本の法令・税務
外為法の報告:対外直接投資に当たるか
台湾子会社への出資は、多くの場合、外為法上の「対外直接投資」に当たります。日本銀行の「対外直接投資に係る証券の取得に関する報告書」(報告省令別紙様式第16)の記入の手引では、報告が必要になるのは次のような外国法人の証券(株式・出資の持分など)を非居住者から取得した居住者だと説明されています。新しく発行された株式を引き受ける場合、つまり子会社設立時の出資や増資も含まれます。
- 報告者の出資比率が10%以上の外国法人
- 報告者と、報告者が100%出資する子会社の出資比率の合計が10%以上の外国法人
ただし、取得する証券の時価が10億円相当額未満であれば報告は不要とされています。時価を出しにくい場合は、簿価で判断してよいとされています。報告が必要な場合の提出期限は、証券を取得した日か支払をした日のいずれか遅い日から20日以内です。提出先は日本銀行国際局国際収支課の外為法手続グループで、日本銀行経由で財務大臣に提出します。
事前届出が必要な業種
同じ手引には、投資先の業種が次のいずれかに当たる場合は、10億円相当額未満でも事後報告ではなく事前届出が必要だと書かれています。
- 漁業(水産動植物の採捕事業)
- 皮革または皮革製品の製造業
- 武器の製造業
- 武器製造関連設備の製造業
- 麻薬等の製造業
台湾子会社の事業目的が上の業種に当たらないかは、出資の前に確認してください。
出資後も続く報告
日本銀行の「外為法の報告制度について」では、取引ごとの報告とは別に「個別の業務等に関する報告」があると説明されています。外国法人に10億円以上を出資し、出資比率(議決権の割合)が10%以上の居住者は、「外国法人の内部留保等に関する報告」の対象になります。また、海外送金そのものについても、3千万円相当額を超える支払等は「支払等に関する報告」の対象になり得ます。銀行を通じた送金では、銀行経由で報告が行われることが多いので、実際の扱いは取引銀行と日本銀行の案内で確認してください。
外国子会社合算税制(CFC税制)の確認
財務省の「外国子会社合算税制の概要」によると、この制度は、実質的な活動を伴わない外国子会社などを使って日本の税負担を減らしたり回避したりすることに対処するためのものです。外国子会社がペーパーカンパニーなどに当たる場合や、経済活動基準のいずれかを満たさない場合は、その所得に相当する金額を日本の親会社の所得とみなして合算課税します。
経済活動基準は次の4つです。
- 事業基準:主たる事業が株式の保有など一定の事業でないこと
- 実体基準:本店所在地国に、主たる事業に必要な事務所などを持っていること
- 管理支配基準:本店所在地国で、事業の管理・支配・運営を自ら行っていること
- 所在地国基準または非関連者基準:業種によってどちらかを満たすこと
ただし、事務負担に配慮して、外国子会社などの租税負担割合が一定以上なら適用が免除されます。その基準は、ペーパーカンパニーなどの「特定外国関係会社」が27%以上、それ以外が20%以上です。国税庁の改正のあらましによると、特定外国関係会社の基準は令和6年4月1日以後に開始する事業年度から30%から27%に引き下げられました。
租税負担割合は、本店所在地国の表面税率で判定するのではありません。その外国関係会社の事業年度ごとに、所得と実際の税額をもとに計算します。台湾子会社が優遇措置や欠損金の利用によって実際の税負担が低くなる年には、判定の結果が変わる可能性があります。台湾で現地の事務所と人員を置いて実際に事業を行う子会社かどうか、つまり実体基準・管理支配基準を満たすかどうかを記録しておくことが重要です。
実務の進め方の例
- 取締役会で出資額、出資の時期、役員の派遣を決議し、議事録を作る
- 台湾側の手続き(投資許可・会社登記など)に必要な書類を確認する。日本の書類に公証や台北駐日経済文化代表処での認証が必要かも確認する
- 出資額と業種から、外為法の事前届出・事後報告が必要かを判定する
- 送金後、期限内に必要な報告を提出する
- 決算期ごとに、租税負担割合と経済活動基準を確認し、CFC税制の申告で必要な書類を保存する
具体的な金額の判定や税務上の扱いは会社ごとに違います。顧問税理士や専門家に確認してください。
台湾子会社から配当を受けるとき(外国子会社配当益金不算入)
台湾子会社が利益を出して日本の親会社に配当すると、台湾と日本の両方で課税される「国際的な二重課税」が問題になります。財務省の「国際的な二重課税排除方式に関する資料」によると、日本では外国子会社配当益金不算入制度でこれを調整しています。この制度では、受け取った配当の額の95%相当額が益金に算入されません。残りの5%相当額は、その配当にかかる費用として益金に算入されます。
対象となる外国子会社は、次の2つを満たす外国法人です。
- 内国法人の持株割合が25%以上(租税条約で別の割合が定められている場合はその割合以上)
- その状態が、配当の支払義務が確定する日以前6か月以上続いていること
国税庁の法人税基本通達3-3-2では、同じ外国法人から1年に2回以上配当を受ける場合、外国子会社に当たるかどうかは配当ごとに判定すると説明されています。子会社設立直後や、出資比率を途中で変えた年は、6か月の保有期間を満たしているかに特に注意してください。台湾側で配当に課される源泉税の税率は、本稿では未確認です。台湾財政部や顧問税理士に最新の扱いを確認してください。
関連ガイド
参考資料
- 日本銀行 外為法手続き https://www.boj.or.jp/ (閲覧日 2026-10-23)
- 台北駐日経済文化代表処 https://www.roc-taiwan.org/jp_ja/ (文書認証の確認先)
- 日本銀行「対外直接投資に係る証券の取得に関する報告書」記入の手引 https://www.boj.or.jp/about/services/tame/youshiki/t-houkoku-g/nregt16.pdf (閲覧日 2026-10-23)
- 日本銀行「外為法の報告制度について」 https://www.boj.or.jp/about/services/tame/t_seido.htm (閲覧日 2026-10-23)
- 財務省「外国子会社合算税制の概要」 https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/175.htm (閲覧日 2026-10-23)
- 国税庁「グローバル・ミニマム課税への対応に関する改正のあらまし」 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0023003-075.pdf (閲覧日 2026-10-23)
- 財務省「国際的な二重課税排除方式に関する資料」 https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/h02.htm (閲覧日 2026-10-23)
- 国税庁 法人税基本通達 第3節「外国子会社から受ける配当等の益金不算入」 https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/03/03_03_01.htm (閲覧日 2026-10-23)
內部編輯附錄
外為法報告門檻未寫。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。