基本

台湾の土地法では、外国人の不動産取得について、その外国人の本国が台湾人に同様の権利を認めること(相互主義)などを条件にしています。内政部の「外國人在我國取得或設定土地權利互惠國家一覽表」(110年5月13日の函による版を新北市政府地政局が掲載)では、日本は「完全平等互惠之國家」に入っています。このほか、用途や地域の制限と許可手続きがあります。

取得前の確認

  • 用途(自用・事業用・投資)
  • 取得する地域・土地の種類の制限
  • 地方自治体への申請・許可

取得後

  • 不動産関連の税(取得時・保有時・売却時)
  • 賃貸運用時の所得の申告
  • 日本側の税務

事業用物件の賃借なら

購入せず賃借する場合は → 店舗物件・オフィス

土地法の外国人に関する規定(第17〜20条)

外国人が取得できない土地(第17条)

台湾の「土地法」第17条では、次の土地は外国人に移転したり、負担(抵当権など)を設定したり、賃貸したりしてはならないと定めています。

  • 林地
  • 漁地
  • 狩猟地
  • 塩田(鹽地)
  • 鉱地
  • 水源地
  • 要塞・軍備区域と国境地帯の土地

相続で取得した場合は例外ですが、相続登記を終えた日から3年以内に台湾の人に売却しなければならず、売却しないと公開入札で売られます。

相互主義(第18条)

第18条では、外国人が台湾で土地の権利を取得・設定できるのは、条約またはその国の法律で、台湾の人がその国で同じ権利を持てる場合に限るとしています。

取得できる用途(第19条)

第19条では、外国人が自分で使う、投資する、または公益の目的で使う場合に、次の用途の土地を取得できるとしています。面積と場所は、直轄市・県(市)政府が定める制限を受けます。

  • 住宅
  • 営業所・事務所・店舗・工場
  • 教会
  • 病院
  • 外国人子弟の学校
  • 大使館・領事館、公益団体の会館
  • 墓地
  • 国内の重要な建設や経済全体、農牧業に役立つ投資で、中央の主管機関が認めたもの

許可の手続き(第20条)

第20条では、外国人が第19条にもとづいて土地を取得するときは、書類をそろえて直轄市・県(市)政府に申請し、許可を受けなければならないとしています。用途を変えるときや、相続以外で移転するときも同じです。上の最後の項目(投資)で取得する場合は、先に中央の主管機関の同意が必要です。地方政府は、受理してから14日以内に許可するかどうかを決めます。

申請の流れと必要書類

彰化県政府が掲載している内政部地政司の資料「開放外國人投資中華民國不動産說帖」では、手続きを次のように説明しています。

一般の手続き(住宅・事務所・工場など)

  1. 土地がある場所の地政事務所に申請します。
  2. 地政事務所が、直轄市・県(市)政府に書類を送り、政府が許可します。
  3. 内政部に報告(備查)した後、地政事務所が登記をします。

同じ資料では、許可にかかる時間を7〜14日としています。登記の手数料(登記規費)は、土地法にもとづき、土地の権利の価値の1,000分の1です。

主な必要書類(同資料による)

  • 土地登記申請書
  • 権利者と義務者の身分証明書類
  • 売買契約書
  • 納税または免税の証明書類
  • 相互主義の証明書類(一覧表に入っている国の人は不要)
  • 土地使用区分の証明(都市計画区域外の土地は不要)
  • 土地の権利証書(所有權狀)

日本は一覧表に入っているため、日本人は相互主義の証明書類を出さなくてよいことになります。

投資目的(重要建設・経済全体・農牧業)の場合

先に中央の主管機関に投資計画書を出して許可を受け、その後に上の一般の手続きをします。同資料では、「経済全体の投資」の例として、観光ホテル、住宅・ビルの開発、工場の開発、工業区の開発、公共建設などを挙げています。

日本企業が取得する場合

同資料では、申請者が外国の会社の場合、初めて台湾に支店を設けるときは、先に経済部に認許を申請するとしています。ただし、資料には公開時期の古い記述が含まれている可能性があり、2018年の公司法改正で外国会社の「認許」制度は廃止されたとされています(この記事では条文を未確認。現在の手続きは地政事務所と経済部に確認してください)。

取得後にかかわる主な税(名称のみ)

台湾で不動産を持つと、取得・保有・売却の各段階で税がかかります。主なものは次のとおりです。税率や計算方法は地域や条件で変わり、改正もあるため、この記事では金額や税率を示しません(未確認)。

段階 主な税
取得時 契稅(建物)、印花稅
保有時 地價稅(土地)、房屋稅(建物)
売却時 土地增值稅、不動産の売却益にかかる所得税(房地合一稅など)

賃貸に出して家賃を受け取る場合は、台湾での所得の申告も必要です。日本の居住者や日本の会社の場合は、日本側の申告も必要になることがあります。

よくある質問

Q. 日本人は台湾で住宅を買えますか? A. 日本は相互主義の一覧表に入っており、土地法第19条では住宅の用途の土地を取得できるとしています。ただし、第17条の土地(林地・水源地など)は取得できず、地方政府の許可が必要です。

Q. 許可にはどのくらいかかりますか? A. 土地法第20条では、地方政府が受理してから14日以内に決めるとしています。内政部の資料では7〜14日としています。

Q. 農地は買えますか? A. 第19条の一般の用途には農地は入っていません。農牧業の投資として中央の主管機関の許可を受ける方法がありますが、条件は個別に確認が必要です(未確認)。

Q. 相続で林地を取得した場合は? A. 相続登記を終えた日から3年以内に台湾の人に売却する必要があります(第17条)。

※この記事は一般的な情報です。取得の前に地政事務所、弁護士、会計士に確認してください。

Q. 土地登記にはどんな効力がありますか? A. 内政部の資料では、台湾の土地登記は登記を信頼して権利を取得した第三者を保護するもので、登記機関の誤りで本当の権利者が損害を受けた場合は、登記機関が賠償する責任を負うと説明しています。

関連ガイド

参考資料

  • 内政部地政司 https://www.land.moi.gov.tw/ (閲覧日 2026-10-23)
  • 全国法規資料庫「土地法」第18条 https://law.moj.gov.tw/
  • 全国法規資料庫「土地法」第17〜20条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=D0060001 (閲覧日 2026-10-23)
  • 新北市政府地政局「外國人在我國取得或設定土地權利互惠國家一覽表」 https://www.land.ntpc.gov.tw/News.aspx?n=13377&sms=9730 (閲覧日 2026-10-23)
  • 彰化県政府(内政部地政司資料)「開放外國人投資中華民國不動產說帖」 https://land.chcg.gov.tw/getFile.aspx?did=17166&file=2&file_id=264326&type=2 (閲覧日 2026-10-23)

內部編輯附錄

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