中国大陸製品の台湾への輸入規制|原則は輸入不可、公告品目を含む13類型だけ、書類に「中国大陸産製」の表示が必要
大陸産の物品は原則輸入不可。公告品目を含む13類型だけ許可され、書類に「中国大陸産製」と書く。

日本企業が、中国大陸の工場で作った製品や部品を、台湾の子会社や取引先へ送ることがあります。台湾は、中国大陸の物品について、一般の外国の物品とは別の輸入管理の仕組みを持っています。根拠は、「臺灣地區與大陸地區人民關係條例」(両岸人民関係条例)と、その第35条第3項にもとづく「臺灣地區與大陸地區貿易許可辦法」(以下、辦法)です。この記事では、大陸地区の物品の輸入の原則、例外の類型、許可の申請先、書類に書く表示、輸出の扱いを、条文で整理します。日本から台湾へ送る一般の輸入規制は別の記事で扱います。原産地を判断する基準(どこで作られた物品が「大陸地区物品」になるか)は、この記事では扱いません。
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輸入の原則と例外
辦法第7条第1項は、大陸地区の物品は、次の例外に当たらない限り、台湾へ輸入できないと定めています。
| 番号 | 例外 |
|---|---|
| 1 | 主管機関が、輸入を認める品目とその条件を公告した物品 |
| 2 | 古物、宗教文物、民族芸術品、民俗文物、芸術品、文化資産の修復材料、文教活動に必要な少量の物品 |
| 3 | 自用の研究・開発用のサンプル |
| 4 | 大陸地区産業技術引進許可辦法により、輸入が認められた物品 |
| 5 | 学校、研究機関、動物園向けの動物 |
| 6 | 保税工場が、加工して輸出するために輸入する原材料・部品。再整備後に全量を輸出する物品 |
| 7 | 科技産業園区、科学園区の事業者が、加工して輸出するために輸入する原材料・部品。再整備後に全量を輸出する物品 |
| 8 | 医療用の中薬材 |
| 9 | 文化部が許可した出版物、映画、映像番組、放送番組 |
| 10 | 財政部が認め、税関が公告した、入国する旅客が携帯できる物品 |
| 11 | 船員と航空機の乗務員が規定に従い携帯して入国する物品 |
| 12 | 両岸の海上漁業紛争の和解賠償としての漁獲物 |
| 13 | その他、主管機関が個別に許可した物品 |
つまり、原則は禁止で、許される類型が列挙されている形です。
公告で輸入が認められる品目の条件
第1号の公告品目は、第8条により、次の条件を満たすものだけが対象です。国家の安全を害しないこと、関連する産業に重大な悪影響がないこと。事情の変化や政策の必要があれば、行政院の承認を得て、輸入を停止できます(第8条第2項)。関連する貨品の主管機関は、輸入を認める品目を定期的に見直します。輸出入の事業者や商工団体も、開放の提案ができます(同条第3項)。
許可の申請
第9条第1項により、第7条第1項の第1号から第7号、第12号、第13号の物品を輸入するときは、経済部国際貿易署(貿易署)に許可を申請します。ただし、主管機関が別に公告して、簽証(許可の確認)を免除した品目や、科技産業園区・科学園区の事業者が所定の物品を輸入する場合は、この限りではありません。科技産業園区・科学園区の事業者が、第7条第1項の第1号のうち簽証が必要な物品、第3号、第4号、第7号、第13号を輸入する場合は、園区の管理機関に申請します(同条第1項ただし書第2号、第2項)。
第8号から第11号の物品は、それぞれの関係する法令にもとづいて、関係機関に許可を申請するか、許可が不要かを確認します(同条第3項)。
書類に書く表示
第11条第1項は、輸入が認められた大陸地区の物品の輸入書類に、「中国大陸産製」の文字、または同じ意味の外国語を書くよう求めています。台湾への統一戦線の宣伝にあたる標識(文字や図案)、映像や音声が、物品や包装、内容にあると主管機関が認めた場合は、輸入者が通関の後にその標識を消す必要があります。第7条第1項の第2号、第9号の一部、第10号から第12号の物品は、消さなくてもかまいません。
輸出の場合は、第12条第1項により、輸出書類の仕向け地に「中国大陸」の文字、または同じ意味の外国語を書きます。委託加工や補償貿易のために輸出するときは、その目的を書類に書きます。輸出した人が、その行為を現地での投資に切り替える場合は、別の許可辦法にもとづいて、主管機関に許可を申請します(同条第3項)。
他の規制との関係
両岸人民関係条例第40条第1項は、大陸地区の物品を輸入することを「輸入」と扱い、その検査、検疫、管理、関税などの徴収は、輸入物品に関する法令に従うと定めています。つまり、大陸産の物品も、商品検験法、植物防疫検疫法、食品安全衛生管理法などの規制を、別に受けます。
違反したとき・広告の扱い
両岸人民関係条例第35条第3項にもとづく許可を受けずに貿易をした場合、第86条第5項により、主管機関は、輸出入を2か月以上1年以下の期間停止するか、輸出入業者の登記を廃止することができます。第35条第2項ただし書(公告で許可が必要な商業行為、または禁止された商業行為)に違反した場合は、5万元以上500万元以下の罰鍰です(第86条第4項)。
また、許可を受けて輸入した大陸地区の物品の広告は、中共のための政治的な宣伝、現行の大陸政策や法令に反する内容、公共の秩序や善良な風俗を妨げる内容を含んではなりません(第34条第2項)。許可の対象外の大陸地区の物品などの広告をしたり、第34条第2項に違反したりすると、10万元以上50万元以下の罰鍰で、広告は没収されることがあります(第89条)。
手順
- 取り扱う物品が、中国大陸産の物品に当たるかを、原産地の面から確認する。
- 物品が、辦法第7条第1項の13類型のどれかに当たるかを整理する。
- 第1号なら、貿易署の公告で、その品目の輸入条件を確認する。
- 許可が必要な類型は、貿易署に申請する(園区の事業者の一部の物品は、園区の管理機関に申請する)。
- 輸入書類に「中国大陸産製」と書く。
- 通関の後に、包装などに消すべき標識がないかを確認する。
- 商品検査や食品の規制など、他の法令の手続きも並行して進める。
注意点
- 日本を経由して台湾へ送る物品でも、大陸地区の物品に当たるかどうかの判断は、この記事では確認していません。原産地の扱いは、事前に貿易署などに確認します。
- 公告される品目と条件は、変更されます。輸入の前に、貿易署の最新の公告を確認します。
- 例外に当たるかどうかで、申請先が変わります。第9条の条文を、物品の類型と照らして確認します。
よくある質問
中国大陸の工場で作った製品を台湾へ輸入できますか。
原則は輸入できません。公告で認められた品目と、辦法第7条第1項の例外に当たる場合だけです(辦法第7条)。
許可はどこに申請しますか。
第1号から第7号などの物品は、経済部国際貿易署に申請します。科技産業園区や科学園区の事業者が、第1号のうち簽証が必要な物品、第3号、第4号、第7号、第13号を輸入する場合は、園区の管理機関に申請します(辦法第9条第1項ただし書第2号、第2項)。
輸入書類にはどう書きますか。
「中国大陸産製」の文字、または同じ意味の外国語を書きます(辦法第11条第1項)。
大陸向けに輸出するときの書類は。
仕向け地に「中国大陸」の文字を書きます。委託加工や補償貿易なら、その目的も書きます(辦法第12条)。
出典
- 全國法規資料庫「臺灣地區與大陸地區貿易許可辦法」第7・8・9・11・12條(2026-10-19 查證):大陸地區物品,除下列各款規定外,不得輸入臺灣地區。
- 全國法規資料庫「臺灣地區與大陸地區人民關係條例」第35・40條(2026-10-19 查證):輸入或攜帶進入臺灣地區之大陸地區物品,以進口論。