台湾の商品検査(BSMI)|対象は公告品目、検査方式は4種類、検査義務は原則として輸入者、検査に合わない商品の輸出入は20万〜200万元の罰鍰
公告された商品は輸入前に検査が必要。方式は4種類。検査に合わない商品の輸出入は20万〜200万元の罰鍰。

日本のメーカーが台湾へ製品を輸出する、または台湾の子会社が日本の製品を輸入して売るとき、製品の種類によっては、台湾の経済部標準検験局(BSMI)が実施する商品検査に合格する必要があります。根拠は「商品検験法」です。この記事では、どの商品が検査の対象になるのか、検査の4つの方式、検査の義務を負う人、免検(検査の免除)、標示の義務、違反したときの罰鍰を、条文で整理します。どの商品がどの方式に当たるかは、標準検験局の公告で決まるため、個別の品目の一覧は扱いません。
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検査の対象と主管機関
商品検験法第2条は、主管機関を経済部とし、検査を経済部の標準検験局が行うと定めています。第3条は、次の商品のうち、標準検験局が種類、品目、輸出先の地域を指定して公告したものが、この法律による検査の対象になると定めています。
- 台湾で生産、製造または加工した農工鉱商品。
- 外国へ輸出する農工鉱商品。
- 外国から台湾へ輸入する農工鉱商品。
つまり、輸入品が自動的にすべて検査の対象になるのではなく、公告で指定された品目だけが対象です。検査の項目と基準も、標準検験局が公告で決めます(第10条)。なお、第6条第1項ただし書は、標準検験局が危害のリスクが低いと認めた商品は、検査を受ける前でも出荷や輸出入ができると定めています。その場合も、市場に入れる前には、検査の規定に合わせなければなりません(同条第2項)。
検査の4つの方式
第5条は、検査の方式を4種類に分けています。どの商品にどの方式を使うかは、標準検験局が公告します。
| 方式 | 内容 |
|---|---|
| 逐批検査 | 輸入や出荷のたびに、ロットごとに検査を申請する(第18条) |
| 監視査験 | 生産工場の管理と検査の制度を審査し、要件を満たす工場の商品を通す(第31条) |
| 検証登録 | 商品の型式ごとに、設計と製造の段階の適合性評価を受けて登録し、証書を得る(第35条から第39条) |
| 符合性声明 | 報験義務人が技術文書を備え、基準に合っていることを自ら声明する(第43条) |
検証登録は、基本設計が同じ商品を、系列型式として登録できます(第38条)。符合性声明では、報験義務人が技術文書と声明書を保存します。保存期間は、標準検験局が商品の種類ごとに公告します(第46条)。
検査の義務を負う人(報験義務人)
第8条は、検査を申請する義務を負う人を、次のように定めています。
- 台湾で生産する場合:生産者または輸出者。台湾に住所か営業所のある委託者の名義で売るなら、委託者。
- 外国で生産された商品の場合:輸入者。台湾に住所か営業所のある委託者の名義で売るなら、委託者。
- 生産者、輸出入者、委託者が不明か、追跡できない場合:販売者。
日本のメーカーが台湾の代理店に売る場合、台湾で輸入者になる会社が通常は報験義務人です。日本のメーカー自身が台湾の子会社を作って輸入するなら、その子会社になります。
検査が免除される場合
第9条は、検査対象の商品でも、次の場合には検査を免除できると定めています。
- 互恵の免検を認める国の政府が出した、検査合格の証書がある輸入商品。
- 非販売の自用品、商業サンプル、展示品、研究開発の試験用の物品の輸出入。
- 加工や組立ののち再輸出する商品、または原状のまま再輸出する商品。
- 完成品で検査する必要のある部品で、検査基準が完成品と同じものを加工・組立に使う場合。
- 軍事用や、緊急の人道救援物資で、関係機関の証明書があるもの。
免検の申請の要件や手続きは、別に主管機関が定めています。
標示の義務
第11条は、報験義務人が商品の本体、包装、ラベル、説明書に、検査基準が求める標示のほか、商品名、報験義務人の名称と住所を表示するよう求めています。第12条は、商品の本体に「商品検査標識」を表示するよう定めています。本体が小さい場合などは、別の方法で表示できます。
費用と合否
検査費が料率で計算される場合、料率は商品の市価の1,000分の3を超えてはならず、最低額に満たない場合は最低額を徴収します(第53条)。検査が不合格のときは、不合格通知書を受け取ってから15日以内に、無料で1回、再検査を申請できます(第26条)。不合格になった後の倉庫、運搬、消毒、廃棄、改善の費用は、生産工場か輸出入者が負担します(第57条)。
違反したときの罰則
罰鍰は、報験義務人に科されます。金額は次のとおりです。
| 違反の内容 | 罰鍰 | 条 |
|---|---|---|
| 標示の違反で、期限付きの改善命令に従わない | 10万元以上100万元以下 | 第59条第1項 |
| 虚偽の標示 | 15万元以上150万元以下 | 第59条第2項 |
| 検査に合わない商品を出荷、輸出入、市場に出す。偽りの方法で合格証書を得る、など | 20万元以上200万元以下 | 第60条第1項 |
| 上記で、商品が検査に不合格だった場合 | 25万元以上250万元以下 | 第60条第2項 |
| 消費者の生命、身体、健康に損害を与え、または重大な損害のおそれがある | 75万元以上750万元以下 | 第61条 |
商品の総額が10万元未満の場合は、総額の2倍以下の罰鍰にすることができます。ただし、罰鍰は1万元を下回りません(第60条の1)。販売者が検査に合わない商品を陳列、販売し、期限付きの改善命令に従わないときは、1万元以上10万元以下の罰鍰で、続けて処罰されることがあります(第60条の2)。
手順
- 輸入する商品が、標準検験局の公告で検査対象の品目に当たるかを確認する。
- 商品に適用される検査方式(逐批、監視査験、検証登録、符合性声明)を確認する。
- 報験義務人(輸入者か委託者)を決める。
- 検証登録や符合性声明の場合は、通関の前に、証書や声明書、技術文書を準備する。
- 商品の本体に、商品名、報験義務人の名称と住所、検査標識を表示する。
- 検査が不合格なら、15日以内に再検査を申請するかを決める。
注意点
- 検査の対象かどうかは、標準検験局が公告した品目で決まります。公告は更新されることがあるので、輸入の前に最新の内容を確認します。
- サンプルや展示品として輸入する場合でも、免検の申請の要件は、別の規定で確認する必要があります。
- 日本の検査機関の試験報告書を台湾でそのまま使えるかは、台湾と日本の相互承認協定の有無によります(第15条)。この記事では、日台間の協定の内容までは確認していません。
よくある質問
台湾に輸入する商品は、すべて検査が必要ですか。
いいえ。商品検験法第3条により、標準検験局が指定して公告した品目だけが対象です。
検査の義務を負うのは、日本のメーカーですか、台湾の輸入者ですか。
外国で作った商品を輸入する場合、原則として台湾の輸入者です。台湾に住所か営業所のある委託者の名義で売るなら、委託者になります(第8条第2号)。
検査に合格しなかったら、すぐに再検査できますか。
不合格通知書を受け取ってから15日以内に、無料で1回、再検査を申請できます(第26条)。
検査に合わない商品を出荷したときの罰鍰はいくらですか。
報験義務人に、20万元以上200万元以下の罰鍰です。商品が検査に不合格の場合は、25万元以上250万元以下です(第60条)。
出典
- 全國法規資料庫「商品檢驗法」第3・5・8・9條(2026-10-19 查證):商品之報驗義務人如下。
- 全國法規資料庫「商品檢驗法」第26・53・59・60・61條(2026-10-19 查證):處新臺幣二十萬元以上二百萬元以下罰鍰。