台湾の労働基準法では、同じ雇用主のもとで一定期間継続して働いた労働者に、勤続年数に応じた特別休暇(年次有給休暇)を与えます。
日数(労働基準法第38条の概要)
| 勤続 | 日数 |
|---|---|
| 6か月以上1年未満 | 3日 |
| 1年以上2年未満 | 7日 |
| 2年以上3年未満 | 10日 |
| 3年以上5年未満 | 毎年14日 |
| 5年以上10年未満 | 毎年15日 |
| 10年以上 | 1年ごとに1日加算、上限30日 |
運用
- 取得日は労働者が決めるのが原則
- 年度末・契約終了時に未消化分は賃金で精算(繰越の合意も可能)
- 休暇の記録を残す
その他の休暇
病気休暇、出産休暇など → 産休・育休
勞動基準法第38条の詳しい内容
休暇の日を決めるのは誰か
第38条第2項では、特別休暇の日は労働者が決めるとしています。ただし、会社に経営上の急ぎの必要がある場合や、労働者に個人的な事情がある場合は、相手と話し合って調整できます。
会社の告知義務
第38条第3項では、労働者が特別休暇の条件を満たしたときに、会社は労働者に休暇の日を決めるよう知らせなければならないとしています。「言われなかったので休まなかった」ということがないよう、条件を満たした時点で書面やシステムで知らせると管理しやすくなります。
未消化分の扱い
第38条第4項では、年度の終わりや契約の終了で休まなかった日数について、会社は賃金を支払わなければならないとしています。ただし、年度の終わりに残った日数は、労使で話し合って翌年度に繰り越すことができます。繰り越した分を翌年度の終わりや契約終了までに休まなかった場合は、賃金を支払います。
記録と通知
第38条第5項では、毎年の特別休暇の日と、未消化分として支払った賃金の額を、賃金台帳(第23条の工資清冊)に記録し、毎年定期的に書面で労働者に知らせるとしています。
「年度」の決め方(勞動基準法施行細則第24条)
施行細則第24条では、特別休暇を使う期間を、労使の話し合いで次のどれかにできるとしています。
| 方式 | 期間 |
|---|---|
| 入社日基準 | 入社日から1年ごと(6か月以上1年未満の分は、権利を得てから6か月) |
| 暦年基準 | 毎年1月1日から12月31日 |
| その他 | 会計年度、学校の学年度、労使で決めた年度 |
暦年基準にすると全員の管理を同じ時期にそろえられますが、入社日によって日数の計算が複雑になります。どちらにするかは就業規則で明確にしておきましょう。
未消化分の賃金の計算(施行細則第24条の1)
施行細則第24条の1では、未消化分の賃金を次のように計算するとしています。 - 未消化の日数 × 1日分の賃金 - 1日分の賃金は、年度の終わりまたは契約終了の前日の正常な労働時間に対する賃金 - 月給制の場合は、年度の終わりまたは契約終了前の直近1か月の正常な労働時間の賃金を30で割った額
休暇中の賃金と違反した場合
勞動基準法第39条では、特別休暇の日も会社が賃金を支払うとしています。労働者の同意を得て休暇の日に働かせた場合は、賃金を2倍にします。
第79条では、第38条などに違反した場合、2万〜100万台湾ドルの罰鍰を科すとしています。
日本との違い(運用の注意点)
| 項目 | 台湾(勞動基準法) |
|---|---|
| 最初に休暇がもらえる時期 | 勤続6か月で3日 |
| 未消化分 | 年度の終わり・契約終了時に賃金で支払う(話し合いで翌年度に繰り越し可) |
| 日を決める人 | 労働者(調整は話し合い) |
| 会社の告知 | 条件を満たしたときに知らせる義務 |
日本の年次有給休暇とは日数や時効の考え方が違うため、日本本社の規程をそのまま使わず、台湾の法律に合わせた就業規則を作りましょう。
よくある質問
Q. 未消化分を買い取らずに消滅させることはできますか? A. できません。年度の終わりや契約終了時に休まなかった日数は、賃金を支払う必要があります(第38条第4項)。
Q. 退職する社員の特別休暇はどうなりますか? A. 契約終了時に休まなかった日数は、賃金で支払います。
Q. 繰り越しは何年まで? A. 法律では翌年度への繰り越しを定めており、翌年度の終わりに残った分は賃金で支払います。
計算の例(入社日基準の場合)
4月1日に入社した社員の場合、第38条の表にあてはめると次のようになります。
| 時点 | 勤続 | 付与される日数 |
|---|---|---|
| 同じ年の10月1日 | 6か月 | 3日 |
| 翌年4月1日 | 1年 | 7日 |
| 2年後の4月1日 | 2年 | 10日 |
| 3年後の4月1日 | 3年 | 14日 |
| 5年後の4月1日 | 5年 | 15日 |
| 10年後の4月1日 | 10年 | 16日(以後1年ごとに1日加算、上限30日) |
勤続10年以上では、1年ごとに1日を加えるため、上限の30日になるのは勤続24年のときです。
ほかの休みとの関係
- 例假と休息日:第36条では、7日ごとに2日の休み(例假1日と休息日1日)を与えるとしています。特別休暇はこれとは別です。
- 祝日:第37条の休日も特別休暇とは別に与えます。
- 病気・慶弔など:第43条にもとづき、病気休暇や慶弔休暇などは中央の主管機関が定める規則(勞工請假規則)によります。
- 産前産後休暇:第50条では、出産の前後に8週間の産休を与えるとしています。
就業規則に書いておきたいこと
- 年度の決め方(入社日基準か暦年基準か)
- 休暇の申請方法と期限
- 会社の告知の方法
- 未消化分の繰り越しの扱いと賃金の支払時期
Q. 天災などで休暇を取り消すことはできますか? A. 第40条では、天災や突発的な事件で仕事を続ける必要がある場合、会社は特別休暇などを停止できるとしています。ただし、その日の賃金は2倍にし、後で代わりの休みを与え、24時間以内に理由を地方の主管機関に届け出る必要があります。
※この記事は一般的な情報です。就業規則を作るときは、専門家に確認してください。
関連ガイド
参考資料
- 全国法規資料庫「労働基準法」第38条 https://law.moj.gov.tw/ (閲覧日 2026-10-23、条文照合済み)
- 全国法規資料庫「勞動基準法」第23・38・39・79条 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=N0030001 (閲覧日 2026-10-23)
- 全国法規資料庫「勞動基準法施行細則」第24・24条の1 https://law.moj.gov.tw/LawClass/LawAll.aspx?pcode=N0030002 (閲覧日 2026-10-23)
內部編輯附錄
日數表已於 2026-10-23 對照全國法規資料庫勞基法§38原文一致(官方一手)。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。 - 2026-10-23 擴寫:新增段落依「参考資料」所列官方頁內容撰寫,未加入無出處之數字。