台湾のITサービス輸出と営業税のゼロ税率|国外で使う役務は営業税率0%、外貨の証明書類と還付の上限
国内で提供し国外で使う役務の営業税率は0%。還付の上限は零税率の売上額×徴収率。
台湾の子会社が、日本の親会社に向けてソフトウェア開発やシステムの保守などの役務を提供すると、台湾の営業税がどうなるかが問題になります。台湾の営業税法第7条は、輸出に関する役務と、国内で提供して国外で使う役務の営業税率を、ゼロとしています。ゼロ税率の売上には、売上にかかる営業税は0%ですが、仕入れにかかった営業税は、還付を受けられる場合があります。この記事では、営業税法、同施行細則、統一発票使用辦法の条文にもとづいて、ゼロ税率の対象、必要な書類、還付、発票の扱いを整理します。税務当局の個別の判断は扱いません。
ゼロ税率の対象(営業税法第7条)
営業税法第7条は、次の貨物または役務の営業税率をゼロと定めています。
- 外銷貨物(輸出する貨物)。
- 輸出に関する役務、または国内で提供して国外で使う役務。
- 免税店が出国する旅客に売る貨物、保税区の営業人に売る貨物や役務、国際間の運輸など。
ITサービスの場合は、第2号の「国内で提供して国外で使う役務」に当たるかどうかが問題になります。何を「国外で使う」とするかの判断は、この記事では扱いません。
営業税の通常の率
営業税法第10条は、営業税の税率の範囲を、5%以上10%以下と定め、徴収率は行政院が定めるとしています。財政部の税務ポータルの案内では、一般の計算の率は5%です。
ゼロ税率に必要な書類(施行細則第11条)
営業税法施行細則第11条は、第7条によりゼロ税率を適用するために必要な書類を定めています。輸出に関する役務や、国内で提供して国外で使う役務の場合は、次のとおりです。
| 外貨の扱い | 必要な書類 |
|---|---|
| 外貨を取得して、政府が指定する銀行で売却または預け入れた | 政府が指定する外匯銀行が発行した外匯証明書類 |
| 外貨を取得して、売却も預け入れもしていない | 原始の外貨収入の款項の証憑の写し |
台湾の営業人が、営業税法第28条の1により税籍登記をした外国事業者を経由して、電子役務を境外の自然人に売る場合は、外匯証明書類に加えて、その登記済みの事業者が出す国外使用の証明書類も必要です(施行細則第11条の1)。
還付(営業税法第39条、施行細則第42条)
ゼロ税率の売上に関する、納め過ぎの営業税(溢付税額)は、営業税法第39条第1項第1号により、税務機関が確認して還付します。
施行細則第42条は、第4章第1節の規定で税額を計算する営業人が、ゼロ税率の売上により溢付税額を生じた場合の、還付できる税額を、ゼロ税率の売上額に、営業税法第10条の徴収率をかけた金額と定めています。
たとえば、ゼロ税率の売上額が1,000万元で、徴収率が5%の場合、還付できる額の上限は50万元です(本稿の試算で、実際の還付は溢付税額も関係します)。
統一発票の免開
統一發票使用辦法第4条第33号は、営業人が外銷貨物、輸出に関する役務、または国内で提供して国外で使う役務を提供する場合に、統一発票を免用または免開にできると定めています。
手順
- 日本の親会社などに提供する役務が、「国内で提供して国外で使う役務」に当たるかを整理する。
- 契約書、成果物の納品先、使用する場所を、書類で残す。
- 外貨の入金を、政府が指定する銀行で売却または預け入れて、外匯証明書類を取得する。
- 売却も預け入れもしない場合は、原始の外貨収入の款項の証憑の写しを保管する。
- 営業税の申告で、ゼロ税率の売上額を記載する(2か月ごと、またはゼロ税率の営業人は申請により1か月ごと)。
- 溢付税額が生じた場合は、還付の対象か、留抵かを確認する。
注意点
- 還付の上限は、ゼロ税率の売上額×徴収率です。
- 書類は、外貨の入金の扱いによって異なります。
- 台湾内で使う役務は、ゼロ税率の対象になりません。
- 日本の消費税の扱いは、この記事では扱いません。
よくある質問
台湾子会社が日本の親会社にソフトウェア開発を提供すると、営業税はかかりますか。
「国内で提供して国外で使う役務」に当たれば、営業税率はゼロです(営業税法第7条第2号)。当てはまるかは、役務の使用場所で判断します。
ゼロ税率には、どんな書類が必要ですか。
外貨を銀行で売却・預け入れた場合は外匯証明書類、そうでない場合は原始の外貨収入の款項の証憑の写しです(施行細則第11条)。
営業税の還付はいくらまでですか。
ゼロ税率の売上額に、徴収率をかけた金額が上限です(施行細則第42条)。
統一発票は必要ですか。
外銷貨物や、輸出に関する役務、国内で提供して国外で使う役務は、統一発票を免用または免開にできます(統一発票使用辦法第4条第33号)。
出典
- 全國法規資料庫「加值型及非加值型營業稅法」第7・10條(2026-10-17 查證):與外銷有關之勞務,或在國內提供而在國外使用之勞務。
- 全國法規資料庫「加值型及非加值型營業稅法施行細則」第11・11-1・42條(2026-10-17 查證):政府指定外匯銀行掣發之外匯證明文件。
- 全國法規資料庫「統一發票使用辦法」第4條(2026-10-17 查證):營業人外銷貨物、與外銷有關之勞務或在國內提供而在國外使用之勞務。