台湾の営利事業所得税の税率と軽減計算|税率20%、課税所得12万元以下は免税、20万元までは超過部分の半分が上限
営利事業所得税は20%。課税所得12万元以下は免税で、20万元以下は12万元超過分の半分が上限。
台湾の営利事業所得税は、日本の法人税と比べて、税率の仕組みが単純です。基本の税率は20%の1本ですが、課税所得が小さい会社には、免税の枠と、納税額の上限があります。台湾子会社が設立直後で利益が小さいときは、この仕組みが働きます。この記事では、所得税法第5条の条文にもとづいて、免税の枠、20%の計算、納税額の上限、過去の経過措置を整理します。基本税額(最低税負担)や未分配利益の加算課税は、別稿で扱っています。
税率と免税の枠(所得税法第5条)
第5条は、営利事業所得税の起徴額と税率を、次のように定めています。
- 営利事業の全年の課税所得額が12万元以下の場合:営利事業所得税を免除する。
- 全年の課税所得額が12万元を超える場合:その全部の課税所得額に20%を課す。ただし、納めるべき税額は、課税所得額が12万元を超える部分の半分を超えてはならない。
つまり、課税所得が12万元を少しでも超えると、全体に20%がかかる計算になりますが、納税額は「12万元を超えた部分の半分」が上限になります。
納税額の上限が働く範囲
上限の計算を、いくつかの課税所得額で示します(本稿の試算です)。
| 課税所得額 | 20%の計算 | 上限(12万元を超える部分の半分) | 納税額 |
|---|---|---|---|
| 12万元 | 24,000元 | 0元 | 0元(免税) |
| 15万元 | 30,000元 | 15,000元 | 15,000元 |
| 18万元 | 36,000元 | 30,000元 | 30,000元 |
| 20万元 | 40,000元 | 40,000元 | 40,000元 |
| 30万元 | 60,000元 | 90,000元 | 60,000元 |
20%の計算額と、上限が一致するのは、課税所得額が20万元のときです。20万元以下では上限の方が小さく、20万元を超えると、20%の計算額がそのまま納税額になります。
2018年度・2019年度の経過措置
第5条は、課税所得額が12万元を超え50万元以下の場合について、その全部の課税所得額に対する税率を、次のように定めていた時期があります。
| 年度 | 税率 |
|---|---|
| 2018年度(民国107年度) | 18% |
| 2019年度(民国108年度) | 19% |
この場合も、納税額は12万元を超える部分の半分が上限です。条文は、2018年度と2019年度についてだけ、18%と19%の率を定めており、2020年度(民国109年度)以降の年度は、20%の規定が適用される形になっています。
他の優遇との関係
営利事業が投資抵減などの優遇を使って、一般所得税額が小さくなる場合は、所得基本税額条例による基本税額が、別に計算されます(別稿で整理しています)。また、当年度の盈余を分配しない場合は、未分配盈余に5%の加算課税があります(所得税法第66条の9)。
手順
- 当年度の課税所得額を、所得税法に従って計算する。
- 課税所得額が12万元以下なら、営利事業所得税は免除される。
- 12万元を超える場合は、全体に20%を掛ける。
- 課税所得額から12万元を引いた額の半分を計算し、20%の計算額と比べる。
- 小さい方が、納める税額になる。
- 基本税額や未分配盈余の加算課税が関わる場合は、別に確認する。
注意点
- 12万元以下の免税は、会社の規模にかかわらず、課税所得額で判定します。
- 課税所得が20万元を超える場合、上限は働きません。
- 経過措置の18%と19%は、2020年度以降は適用されません。
- 資本金や従業員数による区分は、この条文にはありません。
よくある質問
台湾の法人税率は何%ですか。
営利事業所得税の税率は20%です(所得税法第5条)。
課税所得がいくらまでなら、税がかかりませんか。
全年の課税所得額が12万元以下なら、免税です。
課税所得が15万元のとき、税額は。
20%で計算すると3万元ですが、12万元を超える部分(3万元)の半分である1万5,000元が上限になり、納税額は1万5,000元です(本稿の試算)。
小さな会社だけが、軽減されるのですか。
軽減は、課税所得額が20万元以下の範囲で働きます。会社の資本金や従業員数では決まりません。
出典
- 全國法規資料庫「所得稅法」第5條(2026-10-17 查證):營利事業全年課稅所得額超過十二萬元者,就其全部課稅所得額課徵百分之二十。但其應納稅額不得超過營利事業課稅所得額超過十二萬元部分之半數。
- 全國法規資料庫「所得稅法」第66-9條(2026-10-17 查證):自一百零七年度起,營利事業當年度之盈餘未作分配者,應就該未分配盈餘加徵百分之五營利事業所得稅。