台湾の土地取得|外国人は互恵関係と8つの用途に限定、地方政府が14日以内に許否を判断
外国人の土地取得は互恵が条件で、用途は住宅・事務所・工場など8類型。地方政府が14日以内に許否を判断。
台湾の土地法は、外国人が台湾で土地の権利を取得したり設定したりすることを、互恵関係と用途の両面で制限しています。外国人の土地権利は、本国の法律または条約で台湾人が同様の権利を得られる場合に限られます(第18条)。取得できる土地の用途も、住宅、営業処所・事務所・店舗・工場など8つの類型に限定され、所在地と面積は直轄市・県(市)政府の制限を受けます(第19条)。台湾に拠点を置く日本企業や、日本人個人が事務所・工場・住居用の土地を検討するときの条文を整理します。
外国人に移転できない土地(第17条)
次の土地は、外国人に移転したり、負担を設定したり、賃貸したりすることができません。
- 林地
- 漁地
- 狩猟地
- 塩地
- 鉱地
- 水源地
- 要塞・軍備区域および領域・辺境の土地
相続による取得は、この制限に含まれません。ただし、相続登記が終わった日から3年(36か月)以内に、台湾人へ売却する必要があります。期限までに売却しないと、直轄市・県(市)の地政機関が国有財産局へ移して、公開入札にかけます。
取得できる8つの用途(第19条)
外国人は、自用、投資または公益の目的で使うときに限り、次の用途の土地を取得できます。面積と所在地は、直轄市・県(市)政府の法令による制限を受けます。
| 番号 | 用途 |
|---|---|
| 1 | 住宅 |
| 2 | 営業処所、事務所、店舗、工場 |
| 3 | 教会 |
| 4 | 病院 |
| 5 | 外僑子弟の学校 |
| 6 | 使領館・公益団体の会所 |
| 7 | 墓地 |
| 8 | 国内の重大な建設、経済全体、農牧経営に役立つ投資で、中央目的事業主管機関が承認したもの |
日本企業の本店名義など、外国法人の名義で工場や事務所用の土地を取得する場合は、2番目の用途に当たります。台湾の公司法で設立した子会社が、土地法でいう「外国人」に当たるかどうかは、土地法に定義がなく、本稿では確認していません。
取得の申請と審査(第20条)
外国人が第19条の用途で土地を取得するには、関連書類を添えて、土地所在地の直轄市・県(市)政府に申請し、承認を受けます。用途変更をする場合や、相続以外の移転をする場合も同様です。第8号の用途の場合は、さらに先に、中央目的事業主管機関の同意が必要です。
直轄市・県(市)政府は、申請を受理してから14日以内に許否を判断し、承認後に中央の地政機関へ報告します。
第8号の用途で取得した土地は、承認された期限と用途に従って使う必要があります。期限内に使えない場合は、理由を書いて中央目的事業主管機関に延長を申請します。承認された期限や用途に従わなかった場合、直轄市・県(市)政府が所有者に通知し、通知到達後3年(36か月)以内に売却するよう求めます。期限までに売却されないと、政府が入札にかけ、売却代金は所有者に返還されます。
互恵の確認
第18条の互恵は、外国人の本国が台湾人に同様の権利を認めているかを要件とします。日本人・日本企業の取得が可能かどうかは、内政部地政司が公表する互恵国の一覧表と、申請先の地政機関で確認します。台中市政府地政局が掲載する内政部の「外国人が台湾で土地の権利を取得・設定する互恵国一覧」(2021年5月版)では、表一「完全平等互恵の国家」に日本(Japan)が載っています。ただし、これは台中市が転載した2021年5月版で、内政部の原典の最新版ではありません。申請の前に、最新の一覧を確認します。
手順
- 取得したい土地の用途を、第19条の8類型のどれに当たるかで整理する。
- 土地の所在地が、第17条の7種類の土地に当たらないかを、地政事務所で確認する。
- 内政部地政司の互恵国一覧と、申請先の直轄市・県(市)政府の制限(面積・所在地)を確認する。
- 関連書類を添えて、土地所在地の直轄市・県(市)政府に申請する。
- 承認後に、権利の移転登記を進める。第8号の投資は、承認された期限と用途に従って使う。
注意点
- 本稿が確認したのは土地法の土地の権利です。建物の所有や、不動産に関する税金、賃貸の扱いは本稿の対象外です。
- 面積と所在地の制限は、地方政府ごとに定められます。同じ用途でも、取得できる土地の範囲が異なる場合があります。
- 土地の用途を変更するときも、地方政府の承認が必要です(第20条第1項)。売却の通知(通知の到達後3年以内に売却、期限後は標売)は、第19条第1項第8号の投資で取得した土地が、承認された期限と用途に従わない場合の規定です(第20条第3項)。
- 第17条の土地は、賃貸もできません。工場用地として借りる計画でも、土地の種類を先に確認します。
よくある質問
外国人は台湾の土地を買えますか。
土地法第18条により、本国が台湾人に同様の権利を認めている場合に限り、第19条の用途(住宅、事務所、工場など)の土地を取得できます。
外国人に売れない土地はありますか。
林地、漁地、狩猟地、塩地、鉱地、水源地、要塞軍備区域・領域辺境の土地は、移転も賃貸もできません(第17条)。
申請の審査にはどれくらいかかりますか。
直轄市・県(市)政府は、受理後14日以内に許否を判断します(第20条)。
日本は互恵国に入っていますか。
本稿では原典で確認できていません。内政部地政司の互恵国一覧表で確認します。
出典
- 全國法規資料庫「土地法」第17〜20條(2026-10-17 查證):外國人在中華民國取得或設定土地權利,以依條約或其本國法律,中華民國人民得在該國享受同樣權利者為限。
- 全國法規資料庫「土地法」第19・20條(2026-10-17 查證):直轄市或縣(市)政府為前項之准駁,應於受理後十四日內為之,並於核准後報請中央地政機關備查。