台湾への日本からの直接投資2025年|8億7,129万ドル・271件と業種別の内訳
2025年の日本から台湾への直接投資は8億7,129万ドル・271件で、前年比92.7%増。
経済部投資審議司の統計をもとにジェトロが2026年7月15日に公開した「台湾の貿易投資年報(2025年版)」によると、2025年に日本から台湾へ向かった直接投資(認可ベース)は前年比92.7%増の8億7,129万ドルで、件数は271件でした。3年ぶりの増加です。台湾に進出を検討する日本企業にとって、同業種の動きや投資規模を知る手がかりになります。進出している日系企業の社数は、この統計には含まれません。
日本からの投資の規模と業種別内訳
投資審議司の統計では、2025年の台湾への対内直接投資は中国を除く合計で113億9,300万ドル(前年比45.0%増)でした。このうち日本からの投資は、ジェトロの表で8億7,100万ドル(構成比7.6%)、2024年は4億5,200万ドルです。
業種別の内訳は次のとおりです(日本から台湾へ、2025年)。
| 業種 | 金額 |
|---|---|
| 金融・保険 | 2億4,015万ドル |
| 製造業 | 2億3,467万ドル |
| 卸・小売り | 1億1,047万ドル |
台湾全体の対内投資を業種別に見ると、2025年は金融・保険が54.7%、卸・小売りが14.6%、製造業が14.4%を占めます。日本からの投資は、製造業の比率が台湾全体より高い構成です。
主な案件
2025年の台湾の主な対内直接投資案件のうち、日本企業の案件はジェトロの表で次の2件が挙げられています。
| 企業 | 時期 | 投資額 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 商船三井 | 2025年7月 | 1億773万ドル | デンマークのコペンハーゲン・インフラストラクチャー・パートナーズから、洋上風力関連会社の株式10%を取得 |
| 住友化学 | 2025年11月 | 1億200万ドル | 半導体用プロセスケミカルの聯仕電子化学材料の全株式を取得 |
ジェトロの表に載る日本企業の2件は、いずれも株式の取得による案件です。ジェトロは、買収を通じた事業参画や供給体制の強化がみられたと記しています。
台湾から日本への投資と貿易
方向が逆の台湾から日本への直接投資は、2025年は前年比60.6%減の21億6,327万ドルでした。前年にTSMCの熊本県での合弁会社(JASM)向け投資などで大きく膨らんだ反動です。一方、件数は前年の99件から128件に増えました。
貿易面では、台湾の通関統計で2025年の対日輸出が前年比16.2%増の300億1,300万ドル、対日輸入が前年比18.1%増の548億5,200万ドルでした。輸出入とも、機械および電気機器が最大の品目で、輸出の構成比は66.8%です。
日本産食品の輸入規制の撤廃
ジェトロの年報は、台湾が2011年の福島第一原発事故後に日本産食品へ課していた輸入規制を段階的に緩和し、2025年11月21日に衛生福利部食品薬物管理署が撤廃を発表したと記しています。これにより、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県の5県の食品に義務付けられていた放射性物質検査報告書と、日本産すべての食品に求められていた産地証明書の添付が不要になりました。
手順
- ジェトロの「台湾の貿易投資年報」で、最新年版の対内・対外直接投資と対日関係の節を確認する。
- 自社の業種が、金融・保険、製造業、卸・小売りのどの枠に入るかを確認し、同業種の投資規模を把握する。
- 投資審議司の統計月報で、国別・業種別の直近の数字を確認する。
- 日系企業の社数は、ジェトロの進出日系企業調査や在台の日本商工会議所の資料で別途調べる。
- 買収や出資を検討する場合は、台湾の投資審議の要否を事前に確認する。
注意点
- 数字は台湾側の認可ベース(経済部投資審議司の発表)です。日本側の統計との比較は、本稿では行っていません。
- 件数271件は、日本から台湾への認可件数です。新設や増資などの内訳は、ジェトロの出典からは分かりません。
- 2025年の増加率92.7%は、前年(2024年)の4億5,200万ドルとの比較です。前年の水準が低かったため、増加率が大きく出ています。
- 日系企業の進出社数は本稿の統計では分かりません。
よくある質問
2025年の日本から台湾への直接投資額はいくらですか。
認可ベースで8億7,129万ドル、件数は271件です。前年比92.7%増でした。
日本からの投資で多い業種は何ですか。
金額では金融・保険(2億4,015万ドル)、製造業(2億3,467万ドル)、卸・小売り(1億1,047万ドル)の順です。
台湾の対内投資全体に占める日本の割合はどれくらいですか。
2025年は7.6%です。台湾全体の対内直接投資は中国を除き113億9,300万ドルでした。
日本産食品の輸入規制は今も残っていますか。
2025年11月21日に撤廃が発表され、5県の食品の放射性物質検査報告書と、日本産すべての食品の産地証明書の添付が不要になりました。
出典
- ジェトロ「台湾の貿易投資年報(2025年版)」(2026年7月15日公開)(2026-10-17 確認):2025年の日本からの対台湾直接投資は、前年比92.7%増の8億7,129万ドルとなり、3年ぶりに増加に転じた。
- ジェトロ ビジネス短信「台湾、日本産食品の輸入規制撤廃を公表」(2025年11月25日)(2026-10-17 確認):福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県の5県産の食品に義務付けてきた放射性物質検査報告書と、日本産の全ての食品に対して求めていた産地証明書が不要となる。