台湾の統一発票を開立しない・保存しないと|稅捐稽徵法の5%罰金と營業稅法の罰則
発票の未発行・未取得・未保存は認定総額の5%以下、上限100万元の罰金(稅捐稽徵法第44条)。
台湾の営業人は、物やサービスを売るときに統一発票を発行し、仕入れでは相手から発票を受け取り、会計の証憑として保存する必要があります。これを怠ったときの罰則は、稅捐稽徵法と營業稅法の複数の条文に分かれています。日本の子会社や支店の経理担当が、どの行為にどの条文が当たるかを知っておくために、各条文の定める金額と条件を整理します。発票の種類そのものは別稿の領収書の記事で扱っています。
稅捐稽徵法第44条|未発行・未取得・未保存
稅捐稽徵法第44条は、営利事業が次のいずれかに当たる場合の罰則を定めています。
- 法令により他人に渡すべき証憑を渡さなかった場合
- 他人から取得すべき証憑を取得しなかった場合
- 保存すべき証憑を保存しなかった場合
この場合は、未発行・未取得・未保存の証憑について、調査で認定した総額の5%以下の罰金を科します。罰金の上限は、100万元(NT$1,000,000)です。
例外として、営利事業が実際の取引相手以外が開立した証憑を取得した場合でも、実際に仕入れの事実があり、その証憑が実際の売り手から交付されたものと認められ、実際の売り手が法に従って処罰された場合は、処罰されません。
營業稅法の関連条文
營業稅法には、発票の使用そのものに関する罰則も置かれています。
| 条文 | 対象となる行為 | 内容 |
|---|---|---|
| 第47条 | 使用を命じられた統一発票を使わない、発票を他人に転用させる、納付書の受領を拒む | 期限付き改善命令に加え、3,000元以上30,000元以下の罰金。期限内に改めなければ、回数ごとに処罰でき、営業停止も可能 |
| 第48条第1項 | 発票の必要記載事項を記載しない、または虚偽を記載 | 改善命令に加え、発票記載の売上額の1%の罰金。金額は1,500元以上15,000元以下 |
| 第48条第2項 | 上の行為が買い手の名称・住所・統一編号に関するもので、2回目以降 | 売上額の2%の罰金。金額は3,000元以上30,000元以下 |
| 第51条 | 売上の過少申告・脱漏など、税の脱漏の事実がある場合 | 追徴のほか、脱漏税額の5倍以下の罰金。営業停止も可能 |
第47条と第48条は、まず期限を定めた改善や補正の通知が出るのが基本の流れです。通知後も改めなければ、さらに処罰が重なります。第51条は、発票の問題ではなく、税の脱漏そのものに対する規定です。
漏れた発票を補う方法
統一發票使用辦法第19条は、営業人が発票を漏らして開立した、または短く開立し、それが調査で見つかった場合には、補開の発票を発行し、備考欄に「違章補開」と記載して、主管の稽徵機関が保管して処理すると定めています。つまり、見つかった後でも、補開の手続きがあります。ただし、補開をしたからといって、罰則が免除されるとは条文に書かれていません。
返品や値引きが生じた場合は、第20条が処理の方法を定めます。買い手が営業人で、売上を申告する前なら、買い手に渡した発票の受領用の紙を回収し、発行側の控えに貼って「作廢」と記載します。すでに申告した後は、買い手が出す返品・値引きの証明書を取得します。
保存期間の確認
稅捐稽徵法第44条は保存を求める対象を挙げていますが、保存年数そのものは書かれていません。商業會計法第38条は、各種の会計証憑を決算手続きの完了後、少なくとも5年、会計帳簿と財務諸表を少なくとも10年、保存するよう定めています。ただし、未決算の会計事項があるものは別です。
手順
- 取引ごとに、発票を発行する側か、受け取る側かを整理する。
- 売り手側は、買い手が営業人なら三聯式、個人なら二聯式で発行する。
- 仕入れ側は、営業人の名称・住所・統一編号を記載した発票を受け取る。
- 発票の記載事項(買い手の名称・統一編号など)を、発行時に確認する。
- 漏れや誤りが見つかったら、補開や作廢の手続きを、主管稽徵機関の指示に合わせて行う。
- 保存期間は、会計証憑が5年以上、帳簿・財務諸表が10年以上を目安に、保管場所を決める。
- 2か月ごとの営業税申告で、統一発票明細表を添付し、発行した発票と一致させる。
注意点
- 罰金の対象は「認定総額」に掛ける割合で決まります。取引額が大きいほど罰金は大きくなりますが、上限は100万元です。
- 第48条の2%は、2回目以降で、しかも買い手の名称・住所・統一編号に関する記載の誤りだけが対象です。
- 営業人が小規模営業人である場合など、発票を使わなくてよい事業者もあります。自社が該当するかは、主管稽徵機関の核定によります。
- 本稿は条文の内容の整理です。具体的な案件の処分額は、稽徵機関が認定する事実で決まります。
よくある質問
発票を発行しないと、罰金はいくらですか。
稅捐稽徵法第44条により、未発行の証憑について認定した総額の5%以下で、上限は100万元です。
発票の記載ミスにも罰則はありますか。
營業稅法第48条により、必要記載事項を記載しない、または虚偽を記載した場合は、発票記載の売上額の1%(1,500元以上15,000元以下)の罰金が科され得ます。
取引先から発票を受け取らなかったときはどうなりますか。
稅捐稽徵法第44条は、他人から取得すべき証憑を取得しなかった場合も同じ罰則の対象にしています。
発票は何年保存しますか。
稅捐稽徵法第44条は年数を定めていません。商業會計法第38条は、会計証憑を決算手続きの完了後に少なくとも5年、帳簿と財務諸表を10年と定めています。
出典
- 全國法規資料庫「稅捐稽徵法」第44條(2026-10-17 查證):處百分之五以下罰鍰。前項處罰金額最高不得超過新臺幣一百萬元。
- 全國法規資料庫「加值型及非加值型營業稅法」第47・48・51條(2026-10-17 查證):處新臺幣三千元以上三萬元以下罰鍰。
- 全國法規資料庫「統一發票使用辦法」第19・20條(2026-10-17 查證):應補開統一發票,並於備註欄載明「違章補開」字樣。
- 全國法規資料庫「商業會計法」第38條(2026-10-17 查證):至少保存五年。