台湾の外国人投資の投資額審定|出資を実行して2か月以内に申請、送金・現物出資ごとの必要書類と換算の基準
出資の実行後2か月以内に投資額の審定を申請。外国送金は買い為替レートで換算する。
台湾で外国人が会社に出資するときは、投資の承認を得るだけでなく、実際に出資を行った後に、投資額を主管機関に審定してもらう手続きがあります。審定された投資額は、後の持分の譲渡や撤資のとき、外貨への両替(結匯)の根拠にもなります。この記事では、「華僑及び外国人投資額審定辦法」の条文にもとづいて、申請の期限、投資額の換算の基準、出資の種類ごとの必要書類、審定が不要な場合を整理します。投資の承認そのものの審査期間は、別稿の外国人投資条例の記事で扱っています。
申請の期限(辦法第2条)
辦法第2条は、投資額の審定の申請を、投資人、投資人の代理人、投資事業、または投資事業の代理人が、投資人の各種の出資を実行した後2か月以内に、主管機関へ行うと定めています。
出資を分けて実行した場合は、1回ごとに申請するか、全部を実行した後2か月以内に一括して申請できます。
投資額の換算の基準(第3条)
主管機関が審定する投資額は、出資の種類ごとに次のとおり計算されます。
| 出資の方法 | 投資額の計算 |
|---|---|
| 外貨を新台湾ドルに両替して投資 | 手数料などを引いた後の純額 |
| 外貨を送金して投資 | 受取銀行が取引の証憑を発行した日の買い為替レートで新台湾ドルに換算した額 |
| 外貨の現金を持ち込んで投資 | 受取銀行が取引の証憑を発行した日の買い為替レートで換算した額 |
| 特許権・商標権・著作財産権・専門技術などの知的財産権 | その投資申請が承認されたときの金額 |
| 自用の機械設備や原料を輸入して投資 | 税関の着岸価格を、輸入の日のレートで換算した額 |
| 新台湾ドルで国内で機械設備や原料を購入して投資 | 取引の発票の実際の額 |
| 合併、収購、分割、株式転換で投資 | 承認されたときの金額 |
| 債権で投資 | 承認されたときの金額 |
その他、主管機関が認める財産で投資する場合の核計方式は、主管機関が認定します。
出資の種類ごとの必要書類(第4条〜第11条)
外貨を送金した場合(第4条)。 審定投資額申請書、銀行の電信為替による入金通知書または為替手形の写し、新台湾ドルに両替した場合は両替銀行の両替の計算書(両替していない場合は受取銀行が出した他の取引の証憑の写し)、投資事業の銀行預金の対帳単または通帳の写しです。投資人が2人以上の場合は、送金額の明細表も必要です。
外貨の現金を持ち込んだ場合(第5条)。 審定投資額申請書、税関が出した証明、両替の計算書など、預金の対帳単または通帳の写しです。
新台湾ドルで投資、または国内株主の持分の譲受け(第6条)。 審定投資額申請書と、投資事業の銀行預金の対帳単または通帳の写しです。国内株主から持分を譲り受けた場合は、通帳の写しは省略でき、代わりに、持分の移転が完了した声明書と、受領の証明書を提出します。
知的財産権(第7条)。 審定投資額申請書と、投資人が投資事業または準備処に権利を譲渡または許諾した証明書類です。
自用の機械設備や原料を輸入した場合(第8条)。 審定投資額申請書と、税関の輸入報単です。
新台湾ドルで国内の機械設備などを買った場合(第9条)。 審定投資額申請書、購入の発票などの写し、投資人が投資を実行したことを示す投資事業または準備処の証明です。
合併、収購、分割、株式転換(第10条)と債権(第11条)。 審定投資額申請書と、投資人が投資を実行して完了したことを示す、投資事業または準備処の証明です。
審定が不要な場合(第12条)
次の場合は、審定の申請が不要です。
- 投資人が、持分を他の華僑または外国人投資人に譲渡し、境外で取引が完了し、外貨の入金がない場合。
- 受贈、相続、盈余転増資、公積転増資による投資の場合。
追加の書類(第13条)
投資額の審定の申請のとき、主管機関は、必要な場合、会計士の資本額査核簽証の報告書の写し、投資人が持つ国内事業の発行済持分の比率を示す証明、その他の指定書類を求めることがあります。
手順
- 出資の実行日を記録する(送金、現物出資、債権の移転など)。
- 出資の種類ごとに、辦法の必要書類をそろえる。
- 出資を実行した後2か月以内に、審定投資額申請書を提出する。
- 分けて出資する場合は、1回ごとにするか、全部の実行後2か月以内に一括で申請するかを決める。
- 外貨の送金は、受取銀行の取引証憑の日の買い為替レートで換算した額が審定の基礎になる点を、経理に伝える。
- 主管機関から追加の書類を求められたら、会計士の査核報告書などを出す。
注意点
- 申請の期限は、出資を実行した後2か月以内です。
- 換算のレートは、取引の証憑が出た日のレートです。送金日のレートとは限りません。
- 盈余転増資による投資は、審定が不要です。
- 本稿は、投資額の審定の手続きです。投資の承認の条件は、別稿で扱っています。
よくある質問
台湾子会社に出資した後、何をしますか。
出資の実行後2か月以内に、投資額の審定を主管機関に申請します(辦法第2条)。
日本から送金した資本金は、いくらで審定されますか。
受取銀行が取引の証憑を発行した日の買い為替レートで、新台湾ドルに換算した額です(第3条)。
現物出資の場合の金額は。
知的財産権、債権、合併などは承認されたときの金額、輸入設備は税関の着岸価格を輸入の日のレートで換算した額です。
審定が要らない場合は。
境外での持分の譲渡で外貨の入金がない場合と、受贈・相続・盈余転増資・公積転増資による投資です(第12条)。
出典
- 全國法規資料庫「華僑及外國人投資額審定辦法」第2〜13條(2026-10-17 查證):於投資人各類出資實行後二個月內,向主管機關申請辦理。
- 全國法規資料庫「外國人投資條例」第9・12條(2026-10-17 查證):投資人應將所核准之出資於核定期限內全部到達,並將到達情形報請主管機關查核。