台湾の居留証(ARC)とは|日本人が取得するルートと携帯・住所変更・再入国の義務
ARCは14歳以上が携帯。住所・勤務先の変更は30日以内、出国前に再入国許可が必要。
台湾の外僑居留証(Alien Resident Certificate、ARC)は、台湾に居留する外国人に内政部移民署が交付するカードです。14歳以上の外国人は携帯が義務で、住所や勤務先が変わったら変更の翌日から30日以内に届け出ます。出国して戻る場合も、永住者以外は出国前に再入国許可を申請する決まりです。日本人が台湾で会社を立ち上げたり駐在したりするとき、ビザ(査証)と居留証の役割を混同しやすいため、入出国及移民法と居留辦法の条文で整理します。
居留証とビザの違い
ビザは入国のための許可で、居留証は入国後に台湾で居住を認める証明です。日本のパスポートでは、観光や短期出張なら査証免除で入国できますが、免除での滞在は就労や居住を前提にしません。台湾で働く、投資する、家族と暮らすといった目的がある人は、居留の許可を受け、外僑居留証を受け取ります。移民署が許可しない限り、台湾に居留する資格は生まれません。
居留証を取得する主なルートは、次の2つです。
| ルート | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 居留査証で入国 | 外交部領事事務局などで居留査証を取得して入国し、入国後に移民署へ申請 | 居留辦法第5条 |
| 入国後に変更 | 停留期限60日以上の有効な査証で入国した人が、一定の事由で移民署に居留を申請 | 入出国及移民法第23条 |
第23条第1項が挙げる事由には、台湾に居住する国民や外国人の配偶者、未成年の子、就業服務法に基づく就労許可を得た人、一定額以上を投資した投資人や外国法人投資人の代表者、外国公司の台湾内の負責人などがあります。査証免除や停留査証で入国した人も、第4号の就労許可の事由に当たる場合は、第2項により移民署へ居留を申請できます。
居留証の携帯と日常の義務
第28条は、14歳以上の外国人が入国、停留、居留または永久居留のあいだ、旅券、外僑居留証または外僑永久居留証を携帯するよう定めています。移民署などは公務の執行時に提示を求めることができます。居留辦法第18条は、これらの証件がない場合は、主管機関が認める別の身分証明書類を携帯するよう定めます。
第31条は、居留期間中に居住地や勤務先を変えたとき、事実が発生した翌日から30日以内に移民署へ変更登記を申請するよう定めています。引っ越し、転職、駐在員が現地法人から別の拠点へ異動する場面が該当します。第29条は、許可された居留原因に合わない活動を禁じるため、ARCの記載と実際の勤務先が食い違うまま働くことは避けます。
延期と再入国
居留期限の延期は、期限が切れる前に移民署へ申請します。居留辦法第9条は、延期の申請を期限の3か月以内と定めます。経許可された延期の1回あたりの上限は、第31条第2項により最長3年です。
再入国については、第34条が出国前に移民署へ再入国許可を申請するよう定めています。ただし永久居留を許可された人は、外僑永久居留証で再入国でき、許可は不要です。居留辦法第20条は、居留証の申請と同時に再入国許可を申請でき、その許可は多次使用で、有効期間は居留証の有効期間を超えないと定めます。居留証が取り消されれば、再入国許可も取り消されたものとみなされます。
手順
- 居留の事由(就労、投資、配偶者など)を整理し、居留査証で入国するか、入国後に変更するかを決める。
- 居留査証の場合は、入国後、申請書、旅券、居留査証、その他の証明書類、写真1枚を移民署へ提出する。
- 許可されたら外僑居留証を受け取り、記載の居留期限と居留原因を確認する。
- 再入国する予定があれば、出国前に再入国許可を申請する(居留証の申請と同時でもよい)。
- 住所または勤務先が変わったら、翌日から30日以内に移民署に変更登記を申請する。
注意点
- 旅券だけで台湾に長期滞在することはできません。就労や居住の事実があれば居留の許可が必要です。
- 居留期限の延期を申請しないまま入出国及移民法第36条第2項第6号により、延期を申請しないまま期限を過ぎると、移民署は強制出国させるか、10日以内の出国を命じることができます。期限切れが30日未満で居留原因が続いている場合は、処罰を受けたうえで再申請でき、永久居留の居留期間の計算では1年を差し引く扱いです。
- 居留原因が消えた場合は、移民署が居留許可を取り消し、居留証を取り消します。投資や就労を終えた時点で、手続きを確認します。
- 第34条は再入国許可の申請を「出国前」と定めています。出国してから事後に申請する前提で日程を組まないでください。
よくある質問
居留証の携帯は義務ですか。
14歳以上の外国人は、入国、停留、居留、永久居留のあいだ、旅券、外僑居留証または外僑永久居留証を携帯する義務があります。
引っ越したら何日以内に届け出ますか。
居留期間中に居住地または勤務先を変更した場合、事実の発生した翌日から30日以内に移民署へ変更登記を申請します。
居留証があれば再入国許可は不要ですか。
不要なのは永久居留証の保有者だけです。通常の居留証の保有者は、出国前に再入国許可を申請します。
居留の延期はいつから申請できますか。
居留期限が切れる前の3か月以内に、移民署へ申請書、旅券、外僑居留証などを提出します。
出典
- 全國法規資料庫「入出國及移民法」第23・28・31・34條(2026-10-17 查證):外國人於居留期間,變更居留住址或服務處所時,應於事實發生之翌日起算三十日內,向移民署申請辦理變更登記。
- 全國法規資料庫「外國人停留居留及永久居留辦法」第5・9・18・20條(2026-10-17 查證):外國人於居留期間內,有出國後再入國之必要者,應依本法第三十四條規定,於出國前向移民署申請核發重入國許可。