台湾の外貨送金と年間枠|法人は年5,000万米ドル、個人は500万米ドル、50万元以上は申報
50万元以上の外匯取引は申報が必要。年間累計の枠は法人5,000万米ドル、個人500万米ドル。
台湾では、新台湾ドルと外貨を交換する「結匯(けっかい)」のとき、一定額以上の取引を銀行経由で中央銀行に申報する必要があります。外匯収支或交易申報辦法第2条は、新台湾ドル50万元以上と等価の外匯収支または取引の資金の持ち主・需要者に申報を求めます。年間累計の結匯額には枠があり、公司・行号は等価5,000万米ドル、団体・個人は500万米ドルまでは自分で申報できます。台湾の子会社と日本の親会社の間で資金を動かす日本企業が、枠、書類が必要な金額、非居住者の扱いを条文で整理します。
申報の対象と主体
申報義務人は、台湾内の50万元以上と等価の外匯収支または取引をする資金の持ち主または需要者です(第2条)。申報は、外匯収支或交易申報書に、契約書などの証明にもとづいて正確に記入し、銀行業を経由して中央銀行に出します。
「公司」とは、台湾の法令により台湾で登記された公司で、すべての分公司を含めて、その公司の統一編號と名義で申報します。外国公司が台湾で登記した分公司は、全ての台湾内の分公司が同一の申報義務人とされ、最初に統一編號を付与された分公司の名義で申報します(第3条)。「個人」は、18歳以上で、台湾の身分証、台湾地区の居留証、または有効期限が1年以上の外僑居留証を持つ自然人です。「非居住民」は、居留証がない、または有効期限が1年未満の外国人などを指します。
自分で申報できる範囲と年間枠(第4条)
次の取引は、申報書を書けば、銀行業の確認を待たず、自分で結匯の申報ができます。
| 取引 | 内容 |
|---|---|
| 貨物の輸出入・非居住者へのサービス | 公司・行号・団体・個人が、貨物の輸出入や、非居住者へのサービス収入・支出をする送金 |
| 年間累計の枠内 | 公司・行号は等価5,000万米ドルまで、団体・個人は等価500万米ドルまで |
| 事務所の費用 | 辦事処・事務所が、台湾で営業収入のない事務費用を売る送金 |
| 非居住民の少額 | 非居住民が1件あたり等価10万米ドルまで |
貨物の輸出入とサービスの結匯は、年間累計の金額に含まれません(第4条第2項)。中央銀行は、経済・金融の情勢に応じて、この枠を調整できると定めています(第7条)。
証明書類が必要な金額(第5条)
次の取引は、契約書や承認文書などの証明書類を添え、銀行業が申報書の記載と一致することを確認した後に、結匯の申報ができます。
- 公司・行号の1件あたりの結匯金額が、等価100万米ドル以上
- 団体・個人の1件あたりの結匯金額が、等価50万米ドル以上
- 主管機関が承認した、直接投資・証券投資・先物取引の送金
- 台湾内の取引で、取引の対象が台湾外の貨物やサービスに関わるもの
日本の親会社が、台湾子会社に直接投資の資本金を送金する場合は、関係主管機関が承認した直接投資の送金として、承認書などの証明書類が必要になります(第5条第3号)。
承認が必要な場合(第6条)
年間累計の結匯金額が、公司・行号で5,000万米ドル、団体・個人で500万米ドルを超える「必要性のある送金」は、申報書と証明書類を添えて銀行業を経由し、中央銀行に申請して承認を受けた後に、申報できます。また、非居住民が1件あたり10万米ドルを超える結匯を、台湾内の工事請負代金、法律案件の担保金・仲裁費用、承認を得たか法に基づいて取得した自用の不動産の関連代金、相続・保険金・遺族給付に関して行う場合も、承認が必要です。
手順
- 送金の相手と目的を整理する(貨物・サービスの決済か、投資か)。
- 台湾の子会社や支店が、年間累計の結匯額と、自社の統一編號での申報の単位を確認する。
- 1件の金額が100万米ドル以上(個人は50万米ドル以上)なら、契約書などの証明書類を準備する。
- 直接投資の送金は、第5条第3号により、主管機関の承認書などを添える。配当や利益の送金に必要な書類は、この記事では調べていません。
- 銀行業で申報書を作成する。インターネットでの申報も、事前に銀行業と約定があれば可能。
注意点
- 枠は米ドル建てで、中央銀行が経済・金融の状況に応じて調整できます。送金の前に最新の枠を確認します。
- 外国公司の台湾分公司は、全ての台湾内の分公司が同一の申報義務人です。分公司ごとに枠が増えるわけではありません。
- 非居住民が使える1件あたり10万米ドルは、居留証の有効期限が1年未満の外国人にも関係します。駐在員の居留証の期限を確認します。
- 申報書と書類は、銀行業が5年以上保存します。
よくある質問
台湾で外貨送金の申報が必要なのはいくら以上ですか。
新台湾ドル50万元以上と等価の外匯収支または取引です(外匯収支或交易申報辦法第2条)。
法人の年間の結匯枠はいくらですか。
公司・行号は、年間累計で等価5,000万米ドルまでは、自分で申報できます。超える場合は中央銀行の承認が必要です。
個人の年間の枠はいくらですか。
団体・個人は、年間累計で等価500万米ドルまでです。
貨物の輸出入の代金も枠に含まれますか。
含まれません。貨物の輸出入と、非居住者へのサービス収支の結匯は、年間累計の金額に入りません。
出典
- 全國法規資料庫「外匯收支或交易申報辦法」第2〜7條(2026-10-17 查證):公司、行號每年累積結購或結售金額未超過等值五千萬美元之匯款;團體、個人每年累積結購或結售金額未超過等值五百萬美元之匯款。
- 全國法規資料庫「外匯收支或交易申報辦法」第3・5・6條(2026-10-17 查證):公司、行號每筆結匯金額達等值一百萬美元以上之匯款。