台湾でフランチャイズ加盟店を募集するとき|公平会の処理原則:契約の10日前に7項目を開示、審閲期間5日
加盟募集は契約の10日前に7項目を開示し、審閲期間は5日以上。違反は5万〜2,500万元の罰金。
日本の飲食店や小売チェーンが台湾でフランチャイズ展開を始めるとき、台湾の公平交易委員会(公平会)の「加盟業主経営行為案件の処理原則」が、加盟店の募集のやり方を具体的に定めています。この処理原則は、契約を結ぶ前の情報開示と契約書の審閲期間を、日数と項目で定めています。台湾で加盟店を募集する前に、何を、いつまでに渡す必要があるのかを、公平会の原文にもとづいて整理します。
処理原則の位置づけと用語
処理原則は、1999年に委員会議で通過し、2018年8月1日に最新の改正が発令されたものです。公平交易法第25条(取引秩序に影響を及ぼす、欺罔または著しく公正を欠く行為の禁止)にもとづき、加盟業主の行為を判断する基準を示します。
用語は次のとおりです。
- 加盟業主:加盟経営関係で、商標や経営技術などの授権を与え、加盟店の経営を支援・指導し、対価を受ける事業。
- 加盟店:商標や経営技術などを使い、加盟業主から支援・指導を受け、一定の対価を支払う他の事業。
- 預備加盟経営関係:締結の前に、取引の相手が一定の費用を支払い、仮契約書や予約書、意向書などに署名して、退出すれば支払った費用を没収されるか賠償責任を負う関係。
- 一定の対価:加盟金、権利金、教育訓練費、商品や原材料、設備、内装工事などの費用。
単に卸売価格と同じか、それより低い価格で商品を買って転売や賃貸をするだけの取引は、加盟経営関係には含まれません。
契約の10日前に開示する7項目
処理原則の第3点は、加盟業主が、加盟経営関係または預備加盟経営関係を結ぶ10日前(個別の案件で認められる合理的な期間、または双方が約束した期間)までに、次の重要情報を相手に審閲させないと、著しく公正を欠く行為になると定めています。
| 号 | 開示する重要情報 |
|---|---|
| 1 | 営業を始める前の各種の費用(加盟金、教育訓練費、商品、設備、内装工事など)の金額または見積額 |
| 2 | 営業期間中の各種の費用(権利金の計算方法、経営指導、販促、商品や原材料の購入など)の金額または見積額 |
| 3 | 使用を許諾する商標権、特許権、著作権などの名称、使用の範囲、制限 |
| 4 | 経営支援と研修・指導の内容と方法 |
| 5 | 加盟店の営業区域内で、同じ加盟体系の経営案や予定計画を設けること |
| 6 | 契約期間中の制限(商品や原材料を指定先から買う、最低発注数量、設備や内装の指定など) |
| 7 | 契約の変更、終了、解除の条件と処理方法 |
これらの情報は、紙、電子メール、電子記憶装置、SNS、通信アプリなどで提供でき、提供したことの証明は加盟業主が行います。正当な理由があって提供できない場合は、例外です。正当な理由とは、既存の加盟関係の継続や拡大、加盟業主にその情報が客観的にないこと、情報の非対称性がないことなどです。
契約書の審閲期間と交付
処理原則の第4点は、加盟業主が、加盟経営関係の契約を結ぶ際に、次の行為をすることを禁じています。
- 契約を結ぶ前に、相手に少なくとも5日の契約審閲期間(または個別の案件で認められる合理的な期間)を与えない。
- 契約日から30日以内に、契約書を相手に渡さない。ただし、加盟業主の責めに帰さない事情(離島や遠隔地の店、不動産の担保手続きなど)で遅れた場合は除きます。
第5点は、第3点・第4点に違反し、取引秩序に影響を及ぼす場合は、公平交易法第25条への違反になると定めています。
違反したときの罰則
公平交易法第42条は、第25条に違反した事業に、主管機関が期限を定めて行為の停止・是正または必要な措置を命じ、5万元以上2,500万元以下の罰金を科せると定めています。期限内に是正しない場合は、期限を定めて命じ続け、1回ごとに10万元以上5,000万元以下の罰金を科せます。
手順
- 台湾で募集する加盟の仕組みが、処理原則の「加盟経営関係」に当たるかを整理する。
- 開示する7項目の資料(初期費用、継続費用、知的財産、研修、営業区域、制限事項、解除の条件)を作る。
- 契約または預備契約の締結の10日前までに、資料を相手に渡し、渡した日と方法を記録する。
- 契約書は、署名の5日以上前に相手に渡して、審閲させる。
- 契約を結んだ日から30日以内に、契約書を相手に渡す。
- 提供した情報があることの証明は、加盟業主が行う必要があるため、渡した資料と日付の記録を残す。
注意点
- 処理原則は、公平会の行政上の基準です。民事の契約の効力は、別に裁判所で判断されます。
- 5日の審閲期間と10日前の開示は、日数が異なります。どちらも守る必要があります。
- 海外の本部が台湾の相手を募集する場合に、処理原則がどのように適用されるかは、本稿では確認していません。
- 加盟契約には、他の法令(商標法、個人資料保護法など)も関わります。
よくある質問
台湾でフランチャイズを募集するとき、いつまでに情報を開示しますか。
締結の10日前(個別に認められる合理的な期間、または双方が約束した期間)までに、7項目の重要情報を渡します(処理原則第3点)。
契約書を審閲させる期間は。
少なくとも5日です(処理原則第4点)。
契約書は、いつまでに渡す必要がありますか。
契約日から30日以内です(処理原則第4点)。
違反した場合の罰金はいくらですか。
公平交易法第42条により、5万元以上2,500万元以下です。是正しない場合は、1回ごとに10万元以上5,000万元以下になり得ます。
出典
- 公平交易委員会「公平交易委員会對於加盟業主經營行為案件之處理原則」(2026-10-17 查證):未於締結加盟經營關係或預備加盟經營關係之十日前…提供下列加盟重要資訊予交易相對人審閱。
- 全國法規資料庫「公平交易法」第25・42條(2026-10-17 查證):得處新臺幣五萬元以上二千五百萬元以下罰鍰。