台湾の外国人投資条例|禁止業種と許可が必要な業種の考え方、審査は1か月以内(他機関が関われば2か月以内)
禁止業種は投資不可、制限業種は所管機関の許可が必要。審査は完備後1か月以内、他機関が関われば2か月以内。
日本企業が台湾に出資するときの基本の法律は、外国人投資条例です。この条例は、外国人の投資の定義、禁止される事業、申請の手続き、結匯(外貨への両替・送金)の権利、投資した会社の法的な扱いなどを定めています。この記事では、条例の条文にもとづいて、どの事業が禁止または許可を要するか、申請の流れ、出資の期限、結匯の権利を整理します。業種ごとの禁止・制限の一覧(負面表列)は、行政院が告示している別の資料です。一覧の中身は、この記事では取得できていません。
外国人と投資の定義
外国人投資条例第3条は、外国人に外国法人を含めると定め、外国法人の国籍は、設立の根拠となった法律で決めます。
第4条は、投資を次のとおり定めています。
- 台湾の会社の株式または出資額を持つこと。
- 台湾に分公司、独資、合夥の事業を設立すること。
- 前の2つで投資した事業に、1年以上の期間の貸付を提供すること。
3つ目により、日本の親会社が台湾子会社に1年以上の貸付をする場合も、条例上の「投資」に当たります。
出資の種類は、第6条で、現金、自用の機械設備または原料、特許権・商標権・著作財産権・専門技術などの知的財産権、そして主管機関が認めたその他の財産です。
禁止される事業と許可が必要な事業
第7条第1項は、次の事業への投資を禁止しています。
- 国家安全、公共秩序、善良な風俗、国民の健康に不利な影響を与える事業。
- 法律が投資を禁止する事業。
第7条第2項は、法律または法律にもとづく命令で投資を制限している事業に投資する場合は、目的事業主管機関の許可または同意を得ると定めています。
つまり、禁止と制限の区別は、条例の第7条に基づく考え方です。具体的にどの業種が禁止または制限なのかは、行政院が告示している一覧で確認します。この一覧の中身は、この記事では取得できていないため、載せていません。
申請と審査の期間
第8条は、投資人が、投資申請書に投資計画と関係書類を添えて、主管機関(経済部)に申請し、承認を得ると定めています。投資計画を変更するときも同じです。
主管機関は、申請の手続きが完備した後1か月以内に決定します。他の目的事業主管機関の権限に関わる案件は、2か月以内に決定します。
出資の到達と変更
第9条は、投資人が、承認された出資を、決定された期限内に全額到達させ、到達の状況を主管機関に報告して審査を受けると定めています。期限内に出資を行わなかった部分は、期限の満了で取り消されます。正当な理由があれば、期限の満了前に延長を申請します。
第10条は、すでに行った出資を、禁止業種以外の別の事業に移す場合、投資人が、元の投資の取消しと、新しい投資の承認を申請すると定めています。
第5条は、投資人が投資先の株式または出資額の3分の1を超えて持つ場合、その会社の転投資は主管機関の承認を要すると定めています。
結匯の権利
第12条第1項は、投資人が、投資から毎年得る利息や、受け取った盈余を、結匯(外貨への両替)として申請できると定めています。承認を得て株式を譲渡するか、撤資または減資をした場合は、審定された投資額を、一度に全額、結匯として申請できます。投資による資本利得も同じです(同条第2項)。
結匯の権利は譲渡できません。ただし、出資を投資人の合法な相続人、または承認を得て投資を譲り受ける他の外国人や華僑に譲る場合を除きます(第11条)。
徴用・収用からの保護
第13条は、投資人の持株が投資先の資本総額の45%未満の場合、政府が国防の必要で投資先を徴用または買収するときは、合理的な補償を与えると定めています。
第14条は、投資人の持株が資本総額の45%以上で、開業後20年以内、その45%以上を保っている間は、徴用や買収を行わないと定めています。
投資先の会社の扱い
第17条は、投資人が投資した会社の法的な権利義務を、法律に別の定めがない限り、台湾の国民が経営する会社と同じとしています。第15条は、公司法に基づいて会社を設立する場合、投資人が、公司法の国内の住所、国籍、出資額に関する一部の制限を受けないと定めています。
第18条は、投資人が条例に違反し、または主管機関の承認事項を履行しない場合、主管機関が、一定期間の盈余や利息の結匯の権利を取り消すか、投資案を取り消すことができると定めています。
手順
- 出資の形(株式の取得、分公司の設立)を決める。
- 事業内容が、禁止業種や制限業種の一覧に当たるかを、経済部の告示で確認する。
- 制限業種に当たる場合は、目的事業主管機関の許可または同意を得る。
- 投資申請書、投資計画、関係書類を、経済部に提出する。
- 承認の期限内に、出資の全額を到達させて報告する。
- 投資計画を変えるときは、変更の承認を申請する。
- 株式の譲渡や撤資のときは、結匯の手続きを確認する。
注意点
- 禁止・制限の一覧は、業種の細かい区分で決まります。事業名だけでは判断できません。
- 他の機関の権限に関わる案件の審査は、2か月以内です。
- 持株が3分の1を超える会社が、さらに転投資する場合は、主管機関の承認が必要です。
よくある質問
外国人は台湾のどんな事業に投資できませんか。
国家安全、公共秩序、善良な風俗、国民の健康に不利な影響を与える事業と、法律が投資を禁止する事業です(外国人投資条例第7条第1項)。
投資の審査にはどのくらいかかりますか。
申請の手続きが完備した後1か月以内です。他の機関の権限に関わる場合は2か月以内です(第8条第3項)。
投資した資金は日本に送金できますか。
毎年の利息や盈余、株式の譲渡や撤資・減資で得た額について、結匯を申請できます(第12条)。
持株が45%以上だと、どんな保護がありますか。
開業後20年以内、持株を45%以上に保つ間は、政府は徴用や買収を行いません(第14条)。
出典
- 全國法規資料庫「外國人投資條例」第3〜10條(2026-10-17 查證):投資人申請投資於法律或基於法律授權訂定之命令而限制投資之事業,應取得目的事業主管機關之許可或同意。
- 全國法規資料庫「外國人投資條例」第11〜18條(2026-10-17 查證):占資本總額百分之四十五以上者,在開業二十年內,繼續保持其投資額在百分之四十五以上時,不予徵用或收購。