台湾の帳簿・会計証憑の保存期間|証憑は決算後5年、帳簿・財務報表は10年、税の更正期間は5年または7年
会計証憑は決算後5年以上、帳簿と財務報表は10年以上保存。税の核課期間は5年または7年。
台湾子会社を持つ日本企業が、帳簿や証憑をいつまで保管すべきかを決めるときに、まず見るのは商業会計法です。保存期間は、書類の種類ごとに、決算の手続きが終わった日から数える決まりです。税務調査との関係では、税の核課期間が別に定められています。この記事では、商業会計法と稅捐稽徵法の条文にもとづいて、保存期間、証憑の整理、電子方式での保存、期間を意識した管理の考え方を整理します。罰則の詳細は別稿で扱っています。
保存の期間
商業会計法第38条は、保存期間を次のとおり定めています。
| 書類 | 保存の期間 | 例外 |
|---|---|---|
| 各種の会計証憑(原始証憑、記帳証憑) | 年度の決算の手続きが終わってから、少なくとも5年 | 永久に保存すべきものと、未決算の会計事項に関するものを除く |
| 各種の会計帳簿、財務報表 | 年度の決算の手続きが終わってから、少なくとも10年 | 未決算の会計事項に関するものを除く |
つまり、2025年12月期の証憑なら、決算の手続きが終わった日から少なくとも5年、帳簿と財務報表は少なくとも10年が保存の下限になります(本稿の例示で、決算手続きの終了日の判断は個別に必要です)。
会計証憑の整理
商業会計法第36条第1項は、会計証憑を日ごとまたは月ごとに装丁して冊子にし、原始証憑があれば、記帳証憑の後ろに付けると定めています。権利義務が存在する証憑や、永久に保存すべきもの、別に装丁した方が便利なものは、別に保管してもよいですが、互いの日付と番号を注記する必要があります(同条第2項)。
第39条は、会計事項について取得すべき、かつ取得できる会計証憑が、担当者や責任者の故意または過失で毀損、不足、滅失し、商業に損害が出たときは、その担当者や責任者が賠償の責任を負うと定めています。
電子方式での処理
第40条第1項は、商業が、会計資料の全部または一部を電子方式で処理できると定めています。内部統制、入力データの権限と署名の方式、会計資料の保存・保管・訂正などは、中央主管機関が定める辦法によります。
電子方式で会計資料を処理する場合は、第36条第1項(証憑の装丁)と第37条第2項の規定を適用しないことができます(第40条第2項)。
税の核課期間
稅捐稽徵法第21条第1項は、税の核課期間(税務当局が税を課すことができる期間)を次のとおり定めています。
- 納税義務者が申告して納める税で、規定の期間内に申告し、故意に詐欺などの不正な方法で脱税していないもの:5年。
- 印花税の実貼分など、税務当局が税籍の台帳などに基づいて決める税:5年。
- 規定の期間内に申告しなかった場合、または故意に詐欺などの不正な方法で脱税した場合:7年。
核課期間内に新たに課すべき税が見つかれば、補徴や処罰ができ、期間内に見つからなければ、以後は補税や処罰ができません(同条第2項)。
営業税の申告は、2か月を1期として、次の期が始まってから15日以内に行います(営業税法第35条)。商業会計法の保存期間(証憑5年、帳簿・財務報表10年)は、税の核課期間とは別の規定です。7年の核課期間があることから、証憑の保存期間(決算後5年)が過ぎた後でも、核課期間が続く場合があります。どちらの期間も満たす形で管理します。
保存を怠った場合と担当者の交代
稅捐稽徵法第44条は、営利事業が保存すべき証憑を保存しなかった場合に、保存しなかった証憑について調査で認定した総額の5%以下の罰金を科し、罰金の上限は100万元と定めています。
会計人員が離職または職務を変更するときは、5日以内に引継ぎを行います(商業会計法第5条)。帳簿や証憑の保管場所は、引継ぎの対象に含めて記録しておきます。
手順
- 会計証憑、会計帳簿、財務報表の別に、書類を分類する。
- 年度の決算手続きが終わった日を記録する。
- 証憑は決算後5年以上、帳簿と財務報表は10年以上の保存期限を、一覧に入れる。
- 永久保存のもの、未決算の会計事項に関するものは、期限の対象から外す。
- 税の核課期間(5年または7年)を考えて、証憑の廃棄の時期を決める。
- 電子方式で保管する場合は、保存や訂正の辦法を確認する。
注意点
- 5年と10年は「少なくとも」の期間です。それ以上保存してもかまいません。
- 年度の決算の手続きが終わった日から数えます。事業年度の末日から数えるのではありません。
- 核課期間の7年は、申告をしなかった場合や、故意に脱税した場合の期間です。
- 日本の親会社の保存期間の規則とは別に、台湾の規則を守る必要があります。
よくある質問
台湾の会計証憑は何年保存しますか。
年度の決算の手続きが終わってから、少なくとも5年です(商業会計法第38条)。
帳簿と財務報表は何年ですか。
少なくとも10年です(商業会計法第38条)。
税の更正は何年前まで遡られますか。
申告があり、不正な方法がなければ5年です。申告しなかった場合や、故意の脱税は7年です(稅捐稽徵法第21条)。
電子の会計システムを使えば、紙で保存しなくてよいですか。
商業は電子方式で会計資料を処理できますが、保存や保管の方法は、中央主管機関の辦法に従います(商業会計法第40条)。
出典
- 全國法規資料庫「商業會計法」第36・38・39・40條(2026-10-17 查證):各項會計帳簿及財務報表,應於年度決算程序辦理終了後,至少保存十年。
- 全國法規資料庫「稅捐稽徵法」第21條(2026-10-17 查證):未於規定期間內申報,或故意以詐欺或其他不正當方法逃漏稅捐者,其核課期間為七年。