台湾の会計基準|非公開会社は商業会計法と商業会計処理準則、証券発行人は金管会認可のIFRS、主辦会計人員の交代は5日以内
会計事務は商業会計法で処理、財務報表は4種。証券発行人は金管会認可のIFRS。
台湾子会社の決算を日本の親会社の連結に組み込むには、台湾の会計の法令を理解しておく必要があります。台湾では、すべての営利事業に適用される「商業会計法」と、その細則の「商業会計処理準則」があり、証券を発行する会社には、金融監督管理委員会(金管会)が定める別の財務報告の準則があります。この記事では、これらの条文にもとづいて、どの会社にどの基準が適用されるか、財務報表の種類、会計人員の扱いを整理します。税務上の申告書の作成は別稿で扱っています。
3つの層
台湾の会計の法令は、次の3つの層に分けて読むことができます。
| 層 | 対象 | 主な根拠 |
|---|---|---|
| 商業会計法 | 営利を目的とするすべての事業(公司を含む) | 商業会計法第2条 |
| 商業会計処理準則 | 商業の会計事務の処理 | 準則第2条 |
| 証券発行人財務報告編製準則(IFRS版) | 証券発行人 | 準則第3条 |
商業会計法第2条は、「商業」を、営利を目的とする事業とし、その範囲は商業登記法、公司法、その他の法律によると定めています。会計事務の処理とは、会計事項の識別、測定、記録、分類、集計と、それに基づく財務報表の作成のことです。
非公開の会社の基準
商業会計処理準則第2条は、会計事務の処理が、商業会計法、準則、関係法令に従い、これらに定めがないものは、一般公認会計原則によると定めています。
同条のただし書により、商業は、2018年(民国107年)の会計年度の開始日から、被投資会社を支配し、重要な影響力を持ち、またはジョイントベンチャーの持分を持つ場合の長期株式投資は持分法で評価することを除き、金融監督管理委員会が定めた証券発行人財務報告編製準則の一部の条文に準じて、自発的に財務報表を作成できます。その場合は、その準則の規定に従い、商業会計処理準則の関係規定の制限を受けません。
つまり、条文上、商業会計処理準則に従う方法のほかに、IFRS版の準則の一部に準じて自発的に作成する選択肢があります。
証券発行人の基準
証券発行人財務報告編製準則(IFRS版)第3条第1項は、発行人の財務報告の作成が、この準則と関係法令に従い、定めのないものは一般公認会計原則によると定めています。同条第2項は、一般公認会計原則を、金融監督管理委員会が認可した国際財務報導準則(IFRS)、国際会計準則、解釈および解釈公告と定義しています。
発行人は、会計事務の性質に応じて、会計制度を定め、その内容に総説明、帳簿組織系統図、会計項目・会計証憑・会計簿籍・会計報表の説明、普通会計事務の処理手続、原価会計の手続などを含めます(第2条)。また、子会社にも同様の会計制度を定めさせます。
財務報表の種類
商業会計法第28条は、財務報表を次の4種としています。
- 資産負債表
- 綜合損益表
- 現金流量表
- 権益変動表
これらの報表には必要な附註を付し、附註も財務報表の一部とみなされます。財務報表は、会計年度ごとに作成します(第30条)。
会計年度
商業会計法第6条は、商業の会計年度を、毎年1月1日から12月31日までとしています。ただし、法律に別の定めがある場合や、営業上の特別な必要がある場合は、この限りではありません。
会計人員
商業会計法第5条は、次のように定めています。
- 商業の会計事務の処理は、会計人員を置いて行う。
- 公司組織の商業では、主辦会計人員の任免は、股份有限公司では、董事会で董事の過半数が出席し、出席董事の過半数の同意を要する。有限公司では、全株主の過半数の同意を要する。
- 会計人員が離職または職務を変更するときは、5日以内に引継ぎを行う。
- 会計事務の処理は、会計士、または法に従い他人の会計事務を処理する資格を取得した人に委託できる。
手順
- 台湾子会社が、証券発行人に当たるか、非公開の会社かを確認する。
- 非公開の会社は、商業会計処理準則に従うか、IFRS版の準則の一部に準じるかを決める。
- 資産負債表、綜合損益表、現金流量表、権益変動表と附註を、会計年度ごとに作成する。
- 主辦会計人員を、会社の種類に応じた手続き(股份有限公司は董事会の決議)で任免する。
- 会計人員が交代するときは、5日以内に引継ぎを行う。
- 日本の親会社の連結のために、会計方針の調整が必要かを確認する。
注意点
- 商業会計処理準則第2条のただし書は、自発的にIFRS版準則に準じられる条文を、準則の特定の条番号に限っています。どの条文に準じられるかは、準則の本文で確認します。
- 会計年度を暦年以外にするには、法律に別の定めがあるか、営業上の特別な必要が必要です。
- 税務の申告で使う会計処理の細則は、別の法令です。
- 日本の連結の基準との調整は、この記事では扱いません。
よくある質問
台湾の会社は、IFRSを使わないといけませんか。
証券発行人は、金管会が認可したIFRSによる準則に従います(IFRS版準則第3条)。非公開の会社は、商業会計処理準則に従い、定めのないものは一般公認会計原則によります(準則第2条)。
財務報表は何を作りますか。
資産負債表、綜合損益表、現金流量表、権益変動表の4種で、必要な附註を付けます(商業会計法第28条)。
会計年度はいつからいつまでですか。
原則は1月1日から12月31日です(商業会計法第6条)。
経理担当が交代するときの期限は。
会計人員の離職や職務の変更では、5日以内に引継ぎを行います(商業会計法第5条)。
出典
- 全國法規資料庫「商業會計法」第2・5・6・28・30條(2026-10-17 查證):商業會計事務之處理,應置會計人員辦理之。
- 全國法規資料庫「商業會計處理準則」第2條(2026-10-17 查證):其未規定者,依照一般公認會計原則辦理。
- 全國法規資料庫「證券發行人財務報告編製準則(採國際財務報導準則版本)」第2・3條(2026-10-17 查證):經本會認可之國際財務報導準則、國際會計準則、解釋及解釋公告。